バナナタニ園

谷郁雄 / 吉本ばなな

2017年2月14日

ポエムピース

1,595円(税込)

小説・エッセイ / 人文・思想・社会

『楽園、ここにあります』 谷郁雄の詩に吉本ばななの写真、寄藤文平の絵 身近な楽園にきょう、いきませんか ワニ型の横長製本が手に馴染み、ページを繰るほどに愛着がでてくる 楽園へのパスポート 私たちが子どもの頃に思っていたいちばん大切なこと、大人には見えなかったけれど自分にはよく見えていたことが、 そのままの形で保存されて谷さんの詩の中には入っている。 吉本ばなな「まえがき」より ばななさんから少しずつ送られてくる写真を見るのは楽しい時間だった。あるときは猫だったり、あるときは花だったり、 またあるときは食べ物だったり異国の風景だったり。僕も新しい詩が書けると、それをばななさんに送って読んでもらった。 谷郁雄「あとがき」より 本文より [ 星座 ] いつも どこかで 誰かが誰かのことを 思っている 人は一人で 生きられないから 一人ひとりの 小さな光を集めて 大きな星座を作り この 寂しい宇宙の 暗闇の中で 生きていく 互いの光で 照らし合い 励まし合って 迷子の星が 生まれないように 見守り合って [ くちぶえ ] 誰かが くちぶえを吹きつつ 歩いてゆく ぼくが よく知っている歌 昔のアニメの テーマソングだ くちぶえの 上手なその人も 同じ時刻に テレビにかじりつき この世の悪と 戦っていたのだ お母さんが作る カレーの匂いが ほのかに漂う 夕暮れ時の 小さな家の中で [ 同じ空 ] 一人ひとり バラバラに 生きているようでも どこかでつながり 世の中を動かしている たとえば 下町の小さな工場で あなたが作った 2Bの鉛筆で ぼくは毎日 詩を書いている あなたは そんなこと 知らないで 毎日 鉛筆を作り続ける 仕事のあとの 缶ビールを楽しみに あなたと ぼくは 同じ時代に生きながら 一度も 出会うこともないだろう ふと 子供に戻って 同じ空を 見上げることが あるとしても 星座 サッカー くちぶえ ゲーム 卒業式 旅立ち ぼくの木 いやなこと 隠し味 メール 私 約束 仕事 休息 遠い場所 人の命 乗り換え 夕日 見知らぬ自分 結末 雑踏 草原 上り坂 同じ空 気づかないふり 影と太陽 忘却 たそがれ 限りあるこの世の旅 いまから帰るよ

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