
ウミガメは100キロ沖で恋をする
菅沼 弘行
2021年6月18日
方丈社
1,650円(税込)
科学・技術
「養殖で一儲けしよう」と小笠原のウミガメの世界に飛び込んだひとりの青年。しかし、「養殖なんて、絶対に採算がとれない」と愕然とし、今度は「ウミガメを守る、増やす」ことに方向変換。小笠原諸島、インドネシアと、ウミガメとともに「世界を漂流」し、「ウミガメのいるところ、菅沼あり」と呼ばれて45年。 「ウミガメを守りたい」「かわいそう」という思いだけではウミガメを救うことはできない」が持論の著者は、「ウミガメを保護したいという思い込み、つまり誤解がウミガメを危機に陥れている原因になっている。そもそも人はウミガメにを保護できるほどの知識も能力も持っていない」という。 いまではNPO法人ELNAを立ち上げ、「せめて僕らがかかわった地域のウミガメは絶対に絶滅させないーー」そんな思いで、熱帯の海岸を歩き回り、産卵巣をがむしゃらに掘りまくり(もちろんふ化後)、海岸に打ち上がったウミガメの死体をバッサバッサと切りまくり、ときにはウミガメの研究者と交渉(というかケンカ)する日々を送っている。本書は、そんな著者が歩いてきたウミガメの世界について、現場から語り伝えるノンフィクションである。
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