ジェネレーション・レフト
Zブックス 001
キア・ミルバーン / 斎藤 幸平 / 岩橋 誠 / 萩田 翔太郎
2021年8月25日
堀之内出版
1,980円(税込)
人文・思想・社会
◉世界の若者たちは、なぜいま「左傾化」しているのか?◉ オキュパイ・ウォール・ストリート運動、コービンやサンダースら「左派ポピュリズム」の台頭、グレタさんを中心とする気候危機の問題提起など、いま世界では若者たちによるラディカルな社会運動の輪が次々と広がっている。資本主義の中心地であるアメリカでは、若者たちのうち半数近くが「社会主義」を支持しているという調査結果もある。 気鋭の政治理論家キア・ミルバーンが、この「ジェネレーション・レフト」が生まれた背景と、これからの可能性を徹底解明。Z世代(1990年代後半生まれ〜)が主役となる21世紀の世界情勢を知るための必読書。 ◉監訳・解説◉ 斎藤幸平(経済思想家・大阪市立大学准教授) 「コロナ・ショックを前にして、新自由主義に代わる新しい秩序を志向する可能性や必要性が出てきているのは否定できないはずだ。ここに左傾化の潜在性、21世紀の左派にとっての政治プロジェクトが存在する。その担い手が、急進化している若者たちである」 ─推薦─────────────────────────── キア・ミルバーンは、世代についての話に付きまとうナンセンスを粉砕し、年齢の問題のように見える事態の根っこに階級の問題があることを示した。この本を読んで、ジェネレーション・レフトに加わろう。 ──ポール・メイソン(ジャーナリスト、『ポストキャピタリズム』著者) 急進主義が新しい時代を迎えた原因とその可能性への素晴らしい探求だ。新自由主義を克服し、気候変動を静め、社会の高齢化に対処するためには、もう一度「最高の世代」が必要なのだ。 ──アーロン・バスターニ(ジャーナリスト、『ラグジュアリーコミュニズム』著者、「ノヴァーラ・メディア」共同創設者) ────────────────────────────── 日本語版への序文 謝 辞 第1章 世代の再考 若者の左傾化 スノーフレーク世代か? それともめちゃくちゃにされた世代か? なにが世代を形作るのか? いまの世代を生み出したものはなにか? 出来事が世代を形作る 第2章 取り残された世代 2008年は起こらなかった 新自由主義の時代区分 新自由主義的コモン・センス(意識の破壊) 生き残るゾンビ 2008年がやっと起こった 第3章 ジェネレーションの爆発 過剰の瞬間 一度目は悲劇として…… 2011年世代 告白機能 第4章 選挙論的転回 世代的盲点 左派メランコリーからの脱却 エコロジーの拡大 第5章 成人モデルの改革 なぜ保守主義は年配者に多いのか 機能不全に陥る成人期 道を絶たれた若者 すべてのものをすべての人に! 日本語版への解説 ジェネレーション・レフトになるために 斎藤幸平
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Ida Kazuya
なぜ若者は左傾化するのか?
「人新生の資本論」の斎藤幸平が監訳・解説してたので読んでみたら…、『なるほどねー』の一冊だった。 『なぜ若者は左傾化するのか?』その問いに対する著書の見解は、『出来事(社会の常識を打ち破るような変化が突如として起こる瞬間)』がもたらす“世代的”政治勢力の分化だと言う。 2008年のリーマン・ショック/2011年のウォール街占拠運動・スペインの15M運動が(米英の)大きな世代形成の『出来事』という事らしいが、日本においては東日本大震災や昨今の『コロナ禍』もそれに当たるだろう。 『出来事』によって、今恩恵を受けていて既存の秩序を守ろうとする勢力 vs 社会的・政治的変革(革新)により新たな秩序を作ろうとする勢力…。 単純に考えると“1:99”なんだから後者の方が優勢に思えるのですが、今まで蓄積してきた“資産”があるので99の中でも“世代的”な分断が起きる…と理解しました。 日本の未来の資本となる“若者”の視点(問題意識)を構造的に捉える必要があると強く思ったし、ちょうど衆院選のタイミングにこの本に出会い、今の様々な“社会問題”について色々気付けることがありました。 積極的に政治に参加・関与しようという人にオススメです!
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