補陀落ばしり物語

中嶋隆

2020年1月24日

ぷねうま舎

1,760円(税込)

小説・エッセイ

時は江戸宝永年間、富士山大噴火と大地震の巷から船出した三度の渡海の物語──西方浄土に向けて、僧を小舟に閉じ込め、熊野灘の荒海に流す、世に名高い補陀落渡海顚末。  果たしてそれは、大破局の地獄絵から衆生を救う捨て身の行たりえたのか。親殺しの汚名と、裏切りと、人肉食の破戒……俗世の底の底をうごめくものたちが、渡海のはての仮死の境で目にしたものとは。  生きとし生けるもの、ことごとくに仏性が具わる。世間知を破り、人間の条件すら踏み抜いたとき、そこに光と呼び声が……。  小説・破局をくぐる信と愛と光と。 「あとがき」より  私は、 ……古代・中世の補陀落渡りを、元禄末・宝永期のこととして、この物語を書いた。市井の人々の生命と信仰とが、そこ に凝縮していると考えたからである。この時期には、小田原城が倒壊した元禄大地震、四国・近畿に大被害を及ぼした宝永大地震、さらに富士山噴火と、天変地異が続いた。未曾有の大災害のさなか、信仰心を持ち続け、煩悶しながら生きた人々が、この物語の主人公である。                      渡海 その二   始章 那智の賭場            六章 宝永大地震 渡海 その一                七章 悪人 一章 出会い               八章 観音狂い 二章 兄妹                九章 強請り 三章 「犬」と尼 渡海 その三 四章 鴎の助七 十章 再会 五章 破戒僧               十一章 復帰                       十二章 別離                       十三章 遺された者                       十四章 最後の渡海                        終章 再び、那智の賭場

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