
その2 私が私であることの深淵に
てってい的にキルケゴール
中島 義道
2023年2月24日
ぷねうま舎
2,640円(税込)
人文・思想・社会
主著『死にいたる病』と《てってい的に》付き合うこと、それは、青春を呼び出して、そこで生きることだった。死ではなく、永遠にいたる道、逆説でしか語りえないその歩みには、なんとユーモアが寄り添って……キルケゴールの声を聴き、それが発散する音階を聞き取る。読む者自身が、そのトーンと語調で歌ってみること、それは、底知れない逆説に耐えつつ、神と対話する道だった。 絶望とは精神の階梯、「神」に目を向けた人間の避けて通ることの許されない道程なのだ。無神論やニヒリズムの祖型の一つとされ、実存哲学の源に据えられた思想家像の虚構性を問う。『死にいたる病』のすべての行文に耳を澄ます、中島=キルケゴールの思考のドキュメント。 その二 目次 第四章 イロニーの精神と反抗 ──〔C この病(絶望)の諸形態〕 一 絶望の階梯 二 自己のなかの永遠なもの 三 絶望と地上的なもの 四 直接性の生態 五 イロニーの精神 六 自己についての意識の上昇 七 閉じ籠もり 八 自殺と反抗 九 絶望の弁証法 一〇 反抗者の内面と外面
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