日本語の逸脱文 〜 枠からはみ出た型破りな文法〜

天野みどり

2023年3月3日

教養検定会議

1,100円(税込)

語学・学習参考書 / 新書

慣習的な思考枠は誤った思い込みを呼び、自由な心を押さえつける桎梏にもなりかねません。しかし、パターン化は私たちの日常的な活動の様々な場面で行われており、重要な貢献をする種類のパターン化ももちろんあります。本書で取り上げるのは、言語の生成や意味理解に貢献する、人々の慣習で形成された文法規則、中でも「構文」というパターンです。(はじめに から) はじめに 第1章 文法的に文の意味を考えるとは 1.1 正しいかではなく自然と感じるか 1.2 文法研究とはどのような学問か 1.3 日本語の文の意味を研究する二つのアプローチ 1.3.1 内省判断調査とは何か 1.3.2 実例観察とは何か 1.3.3 二つのアプローチは補い合うもの 1.4 文法規則を明らかにする言語意識調査とは何か 1.4.1 内省判断調査の補足となる言語意識調査 1.4.2 実例観察の補足となる言語意識調査  1.5 第1章のまとめ 【調べてみよう・考えてみよう】 第2章 自動詞文・他動詞文・受身文・使役文の意味 2.1 ヴォイスとは何か 2.2 受身文の意味 2.2.1 警官が賊に襲われたー受身文の意味1 2.2.2 雨に降られたー受身文の意味2 2.3 使役文の意味 2.4 他動詞文の意味 2.4.1 他動詞文と使役文の意味の違い 2.4.2 祖父を癌で亡くしたー働きかけの無い他動詞文 2.4.3 働きかけの無い他動詞文を自動詞文と比べる 2.5 第2章のまとめ 【調べてみよう・考えてみよう】 第3章 逸脱的な「のを」の文 3.1 逸脱的な「のを」の文とは 3.2 接続助詞的な「のを」の文の特徴と意味 3.3 「のを」と「のに」「のに対して」の容認度の違い 3.4 「のを」の〈逆接〉の意味はどこから? 3.5 他動詞が無いのにどうして意味がわかるのか    -〈対抗動作〉他動詞構文をベースとする類推ー 3.6 逸脱を可能にするのは他者に対する〈状態変化〉 3.7 他動詞といっても様々 3.8 第3章のまとめ 【調べてみよう・考えてみよう】 第4章 逸脱的な「のが」の文 4.1 逸脱的な「のが」の文とは 4.2 言語意識調査で見る「のが」の文の自然さ 4.3 逸脱的な「のが」の文と二つの〈状態変化〉自動詞文 4.4 拡張段階2と3の「のが」の文の実例観察 4.5 逸脱的な特徴を持つ「のが」の文の意味 4.6 「のが」の文の容認度の違いを生む要因 4.7 「のが」の〈逆接〉の意味はどこから? 4.7.1 〈状態変化〉自動詞構文に見られる逆接的な意味 4.7.2 容認度の点から見る「のに」と「のが」 4.8 第4章のまとめ 【調べてみよう・考えてみよう】 第5章 「のが・のを」と「のに・ので」の違いー名詞性 5.1 名詞性とは何か 5.2 が/の交替 5.3 並立助詞連結 5.4 とりたて助詞付加 5.5 「の」節への連体修飾節付加 5.6 第5章のまとめ 【調べてみよう・考えてみよう】 第6章 文の理解と意味の創造ー類推とは何か 6.1 ボトムアップ式情報処理とトップダウン式情報処理 6.2 「類推」による創造的な意味理解 6.3 自他対応する接続助詞的な「のを」の文と「のが」の文 6.4 容認度とベースの構文との距離 6.5 構文の意味と要素の意味 6.6 第6章のまとめ 引用文献・おすすめの文献 例文出典 おわりに

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