みんなの〈青春〉

思い出語りの50年史

石岡学

2024年2月20日

生きのびるブックス

2,310円(税込)

人文・思想・社会 / エンタメ・ゲーム

“キラキラの青春”だけが、青春なのか? 太陽族、みうらじゅん、乃木坂46……。様々なジャンルを横断しながら、私たちの自意識を刺激してやまない青春イメージを読み解く、社会文化史。 はじめに  ◆第1章 謎を抱きしめて 青春の独特さ・奇妙さ  近代のイデオロギーとしての青春?  生きのびる青春  ◆第2章 さらば青春!?──七〇年代のターニングポイント 「青春」の誕生  近代日本文学と青春  「男の世界」  青春はカネになる!?──映画のイメージ  変質? 消失?──同時代の認識  ◆第3章 メディアに息づく「青春」 政治の季節のあと、テレビドラマがやってきた──六〇─七〇年代  ダサさの象徴──八〇年代  「ありのままの青春」が理想──一九九〇─二〇〇〇年代  二人の世界で成り立つ青春──二〇一〇年代  しぶとく生きのびるビルドゥングス・ロマン  ◆第4章 いつか振り返る日のために 成長物語の残滓  何はともあれ、部活と夕日、そして恋愛  記録と美化──ミッションに賭ける  「いま自分たち青春してる!」 ◆第5章 〈輝けない者たち〉のブルース イメージと現実とのギャップ  ないものねだりが原動力に  「暗い青春こそ本物の青春だ!」  輝きからも挫折からも遠く離れて  ◆第6章 アンチという名の王道をゆく 「青春っぽい青春」はハードルが高い  地味な青春は描かれない?  「底辺女子高生」の憂鬱?  地味だからこそ価値がある!?   ◆第7章 大人の結論─それでいいじゃないか、の心 反動から生まれる表現  王道あっての「欠落」  あの頃に戻れないからこそ  それもまたよし、の境地  ◆第8章 恋愛至上主義の果てに 男女共学前夜  「純潔教育」と「不純異性交遊」の時代  「童貞」というスティグマの誕生  恋愛至上主義の興隆から「若者の恋愛離れ」へ  ◆第9章 アイドルの辞書に“青春”の文字はない 「アイドル消費」=「青春消費」  「フツーの人が羨ましい」  人気の絶頂で犠牲にしたもの  「アイドル活動そのものが青春!」  ◆第10章 いくつになっても逃げられない 「青春とは心のありようである」  元ネタの影響力  「いつまでも青春だと思うのはバカげている」  なぜ、最後に(笑)がつくのか  ◆第11章 さらば、青春 生き方が決まったとき青春は終わる?  気づけば「大人」になっていた 「象徴」との惜別  ◆第12章 変わったもの、そして変わらないもの 変わる青春  変わらない青春  陳腐で特別な青春  おわりに  参考文献

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