仕事で使える管理会計
土田 義憲
2024年3月5日
ロギカ書房
2,640円(税込)
ビジネス・経済・就職
対話で学ぶ、管理会計の基本 ●販売価格を決めるための原価の集計 ●無駄な原価の削減と原価差異分析 ●CVP分析/セグメントの収益の追求/変動予算 ●販売数量と費用、利益の関係 ●差額原価分析とプロジェクト投資の意思決定 ●資金収支予算による資金計画とキャッシュ・フロー計算書 管理会計は、企業会計の一分野として、頻繁に財務会計と対比して紹介されます。管理会計は、企業の業務管理者に対して業績管理に役立つ会計情報を提供することを目的として発達してきました。しかし、今日では、企業のみならず、中央政府や地方自治体などの公共団体、NPO法人・病院や学校などの非営利組織でも、広く利用されています。 管理会計の起源は定かではありませんが、19世紀中頃におけるイギリスの産業革命期に発明された蒸気機関を動力源とする大量生産方式が普及しだした、19世紀末から20世紀初頭にかけてのアメリカ合衆国で大きく発展しました。 つまり、大量生産方式に参加する多くの工員の作業を自らの目で監督するのが難しくなった経営者が、数字を使って管理する手段として、原価計算、標準原価計算、損益分岐点分析(CVP分析)、予算管理、差額原価分析、現在価値法、資金管理などのテクニックを考案していったのです。 しかし、これらは、一気に、一直線に考案されたわけではありません。幾人もの先人たちが、時代を超えて、行ったり来たりしながら、次第に確立していったものです。それらは、100年経った現在でも使用されており、私達は、先人たちの努力の恩恵に預かっているわけです。 会社における管理会計の機能を現代風にアレンジすると、どうなるでしょうか? 会社は営利を目的とした人の集まりです。営利とは儲けることで、「儲ける」とはお金を増やすことです。会社が儲けるためには、収入が支出を上回る活動をしなければなりません。 ところが、会社の活動において、計画と結果が一致しないことはしばしば起こります。この商品は「思ったほど売れなかった」、「売れたけど儲からなかった」などです。その場合は、売れるようにする、あるいは儲かるように工夫する必要があります。 その際に、ある活動による収入が、そのための支出を上回るか否かを考えるための情報を提供するのが管理会計です。 本書は、大学の講義、生産会社および販売会社での出来事を中心に、仕事の計画、管理、意思決定の際に利用できる管理会計のテクニックを紹介しています。 本書の構成は第1部から4部に分かれています。第1部は商品やサービスの“販売価格を決める”際に役立つ原価計算のテクニック、第2部は利益獲得に必要な“販売数量を計画する”際に役立つ利益計画のテクニック、第3部は“新しく参入するか、中止するかを判断する”際に役立つ意思決定のテクニック、第4部は“資金の調達を決定する”のに役立つ資金予算設定のテクニックを紹介しています。
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