〔電子〕アロイのやさしい神さま
日野裕太郎 / ハルノブ(表紙イラスト)
2014年12月22日
doncha.net
300円(税込)
小説・エッセイ / ミステリー・サスペンス / エンターテインメント
自分の信じるものが正しいから、正しくないものを罰するつもりで、 ひどい戦争になってしまった。 アロイは神さまを信じていない。 神さまを信じ、アロイは愛されているのだ、というチュカナを嘘つきだと思っている。 戦争のきっかけになってしまう神さまなんて、と苦い気持ちで顔をあげると、どこか上機嫌に見えるチュカナがいた。 祖母を嘘つきだと思っているが、アロイはチュカナを愛していた。 嘘つきのチュカナが語る自分への愛情は、真実だと知っている。 だが祖母の語る世界や神は嘘に満ちている。 嘘つきの語る真実について考えると、アロイは何故だか泣きたくなる。 だからいつもアロイはそこで考えるのをやめていた。 ただ黙って、アロイはチュカナの手をにぎる指に力を入れた。 ***** 戦火の傷跡が癒えない村。今も残る地雷原で鉄屑を拾うアロイたち。 危険だけど貴重な収入源で生活の糧となっている。 ある日ボランティたちがやってきて、危険と同時に生活源の撤去も始まった。 アロイたちは生活を賭けて、地雷原を駆ける。 鉄屑を求めるだけのはずがいつしか危険なゲームにのめり込む。 アロイが地雷を踏んだらそれっきり。 架空の国を舞台に、真摯に生きる人々のドラマが展開される。 文庫 約66ページ (39字詰め 18行)
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