
〔電子〕忘れられた正室 武田信玄正室三条夫人
篝佐代
2015年1月10日
篝佐代
200円(税込)
小説・エッセイ / 人文・思想・社会 / ノンフィクション
これまで武田信玄正室三条夫人というと、長い間、数多くの歴史小説やドラマなどで、名門の公家の家柄を鼻にかける、高慢で、そして嫉妬深い悪妻という否定的なイメージで、繰り返し繰り返し描かれてきた。 しかし、こうした彼女の姿は、実際にはほとんど具体的史実や当時の史料にも基づいていない、大変に無責任、不公平で問題の多いものである。そしてこういった三条夫人の、ステレオタイプな悪女・悪妻としての姿は、おそらく、徳川家康正室築山殿と安易に同一視された気配が、濃厚である。 このように、これまで武田信玄正室三条夫人は、無責任に高慢で嫉妬深い悪妻とされて貶められ、無能で影の薄い正室として、低い評価をされ続けてきた。そしてこれらの評価に加え、更に当然夫の信玄とは不仲の正室という、三条夫人に対しての従来の、これらのあまりにも型にはまりきった、固定的な見方に、私は疑問を感じ、長年に渡り、彼女について独自に詳細な調査や研究を続けた結果、あまりにその批判根拠が、具体性・実証性に乏しいものである事が明らかになった。 これはおそらく、嫡男の武田義信の謀反とその後の信玄による、彼の幽閉・そして結局自害させる事になった事の正当化、信玄神格化のための、正室である三条夫人のスケープゴート化、そしてそのために捏造された彼女の虚像だったと考えられる。信仰篤い公卿の家出身の公家の姫として、仏教への信仰に生き、武家の正室とはまた違う形で、甲府の信仰面及びその他の面において、夫の武田信玄を影で支えた三条夫人の実像と彼女に対する正当な評価を追及した。
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