〔電子〕プロテイン・パック

奇想短編集 そののちの世界

淡波亮作

2015年2月5日

Newday Newlife 出版部

0円(税込)

小説・エッセイ

人類はいったいどこまで行ってしまうのか……? どんなに奇想天外な未来でも、明日にも起こり得るのではないかと変に納得してしまうことの恐ろしさ。 科学と文明の過剰な発達がもたらすかもしれない様々な「そののちの世界」の出来事を、SFタッチで、ダークなタッチで、またはユーモラスに描いた短編集です。 第五話の本作は、『プロテイン・パック』 牛も豚も鶏も絶滅してしまった未来、肉といえば形のない流動食、〈プロテイン・パック〉だけとなっていた。 久々の有形食を求めて体験ファームに訪れた二人は、他人とは全く違う未来を体験することとなった……。 "「今日は午後からフィールドに出る予定なんだ。久し振りだから、ちょっと興奮してるんだよ」 デイヴィッドが声を弾ませ、壁のホロディスプレイに喋りかけていた。 「ね、デイヴ、もし良かったら私も、ご一緒していいかしら?」 思ってもみない反応だった。" "仕事上の連絡のついでに、ちょっとプライベートな話を滑り込ませたのは、別にトレイシーのこんな反応を期待してのものではなかったのだ。デイヴィッドはそんな気持ちが表れてしまわないよう、努めて落ち着いた低い声を発した。 「僕は構わないけど、大丈夫なのか? ハンティングの経験は?」 「初めてよ。色々教えてくださるかしら?」" "デイヴィッドは冷蔵庫にずらりと並ぶ色とりどりのプロテイン・パックを一袋取り出し、マイクロウェーブにかけた。" "内容物が温まりパックが膨らむと、甘い匂いが部屋に立ちこめた。今晩は歯応えのある有形食にありつけると思うと、デイヴィッドはトレイシーとの初デート以上に待ち遠しくてならなかった。" すぐに読めて、でもずっとどこかに残ってしまう。ちょっと不思議でほろ苦い読書体験が、あなたを待っている! 各短編にストーリー上の関連はありませんので、どの回からでもお読みいただけます。

本棚に登録&レビュー

みんなの評価(0

--

読みたい

0

未読

0

読書中

0

既読

0

未指定

3

書店員レビュー(0)
書店員レビュー一覧

みんなのレビュー

レビューはありません

Google Play で手に入れよう
Google Play で手に入れよう
キーワードは1文字以上で検索してください