〔電子〕方丈記現代語訳付

鴨長明 / 上妻純一郎

2015年2月2日

古典教養文庫

300円(税込)

人文・思想・社会

(方丈記について) 「方丈記」は、鴨長明による鎌倉時代の随筆です。長明は晩年、京の郊外の日野山に一丈四方(方丈)の狭い庵を結び隠棲しました。そこから当時の世間を観察して書き記したのでこの名があります。兼好法師の「徒然草」、清少納言の「枕草子」とあわせて日本の三大随筆と呼ばれています。 特に書き出しの 「行く川のながれは絶えずして、しかも元の水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。」 はよく知られています。 漢字と仮名の混ざった和漢混淆文で書かれたものとしては、最初の優れた文芸作品であり、詠嘆表現や対句表現を多用し、漢文の語法、歌語、仏教用語を織り交ぜて書かれています。 また、自らが経験した天変地異に関する記述を書き連ね、歴史史料としても価値が高いと言われています。以下の災害について詳しい記述がなされています。 一、安元三年(一一七七年)の京の火災 二、治承四年(一一八〇年)に同じく京で発生した竜巻およびその直後の福原遷都 三、養和年間(一一八一年〜一一八二年)の飢饉 四、元暦二年(一一八五年)に京を襲った大地震 (鴨長明について) 鴨長明(かものちょうめい、かものながあきら)は、賀茂御祖《かもみおや》神社の禰宜《ねぎ》である鴨長継の長男として、応保元年(一一六一年)、京都に生まれました。和歌を俊恵の門下として、琵琶を楽所預の中原有安に学びます。歌人として活躍し、その歌は「千載和歌集」にも詠み人知らずとして入集しています。 その後神職としての出世の道を鎖された長明は、出家して蓮胤《れんいん》と名乗ります。また建暦元年(一二一一年)には、将軍源実朝の歌の師として鎌倉にも下向しています。方丈記は、その翌年建暦二年の作と考えられています。 他に歌論書の「無名抄」、説話集である「発心集」があります。また「千載和歌集」を初めとする勅撰和歌集にも二十五首が入集しています。 (この本について) この本は、原文を青空文庫より収録し、それを適切に章分けし、適切なふりがなを振り、また明らかな誤植は訂正しました。その上で、現代語訳を付けました。現代語訳は、できるだけ分かりやすい表現を心がけました。 (古典教養文庫について) 古典教養文庫は、日本のみならず広く世界の古典を、電子書籍という形で広めようと言うプロジェクトです。以下のような特長があります。 1、古典として価値あるものだけを これまで長く残って来たもの、これから長く読み継がれていくものだけを選んで出版します。 2、読みやすいレイアウト 文章のまとまりを、適切な改ページで区切って、Koboはもちろん、iPhoneやAndroidなどのスマートフォン、iPadなどのタブレットでの読書に最適化しました。また索引を付けましたので、目次から直接アクセスできます。 青空文庫をベースとしている場合も、適切に処理してありますので、そのまま青空文庫の物をダウンロードして読むよりも格段に読みやすくなっています。 3、美しい表紙 プロのデザイナーによる美しい表紙をつけました。書籍と関連づけられた美しい表紙で、実際の本を読むような感覚に浸れます。 4、スピーディーな改版 紙の本と違い、誤植の修正や改訂などすぐに対応でき、刻々と進化を続けます。

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