〔電子〕ビットコイン・仮想通貨を理解するための通貨入門

　本書は、ビットコインを始めとする仮想通貨について、通貨としての性質及び実際の通貨との違いについて考察を行う、経済学の入門書です。具体的な投資の前にまず疑問を整理したい方に読んで頂くことを想定しています。ビットコインそのものの取引方法や技術的な解説を行うものではない点に注意してください。 「仮想」通貨は通貨ではないのだろうか？そもそも「通貨」とはなんだろうか？ 不換紙幣になって久しい、毎日私たちが使っている通貨は「仮想」でないのだろうか？ この疑問に対する答えを一人一人が持つならば、現状の仮想通貨の価格形成はバブルなのか、あるいは一定の根拠があるものなのか、また各人がどう対処するのがよさそうか判断していくことができるでしょう。 目次 はじめに 1 通貨 コラム：兌換紙幣と金本位制 1.1 交換取引と二重の偶然性 コラム：商品の規格化による二重の偶然性の回避 1.2 通貨の匿名性 コラム：石貨 〜通貨の匿名性の例外〜 1.3 通貨の性質 1.3.1 一般受領性 (general acceptance) 1.3.2 価値保蔵 (preservation) 1.3.3 価値尺度 (measurement) コラム：幕末の開国による金の流出 1.4 法貨による需要の担保 コラム：現在の銀の需要 1.5 仮想通貨と三要件・取引需要 コラム：ビットコインの大量保有者 2 取引 2.1 取引所の存在と売買仲介業 2.2 仮想通貨交換業者としての売買仲介業者 コラム：私設取引所の法的問題点 2.3 取引による経済的利益と政府見解 コラム：競馬に関する所得の計算方法についての国税庁見解 2.4 先物取引の開始 2.4.1 先物市場の概要 2.4.2 ＣＭＥの上場先物 コラム：ＣＭＥの提供する天候デリバティブ 3.1 現金ポイント コラム：日本企業のポイントの取り扱い例 3.2 マイレージ 3.3 プリペイドカード コラム：オンラインゲーム内通貨の保全 仮想通貨の課題 参考文献