〔電子〕日本人はなぜ持ち家にこだわるのか

問題提起シリーズ

小林 弘潤

2024年7月8日

月聖出版

0円(税込)

ビジネス・経済・就職

※目次抜粋 1 世間にある「持ち家に住むのが当然」という価値観は高度経済成長期からバブル崩壊の時期に日本中を席巻した“土地神話”という発想に影響を受けている 2 「持ち家は賃貸より得だと思われているが現実はそうではない」という現実がわかってもなお持ち家にこだわる背景に「信用の問題」がある 3 個人の土地所有権という概念ができたのが明治以降である以上、戦前までの一般庶民の中に「持ち家という発想自体がなかった」と判断するのが妥当 5 ローンを組んだことで転職の選択肢が狭くなることは「精神的ゆとり」どころか、「大変なストレス要因」になる可能性がある 6 賃貸の一番のメリットは「状況の変化に柔軟に対応でき、何より自由が確保できる」ことにあり、持ち家か賃貸かの選択とは「信用か自由かの選択」とも言える 7 持ち家にこだわらず世界各地を転々とする人生を送ったペテロは「賃貸を選んだことで世界最大規模の城の主になった」と言える 10 「本のデータ化」で荷物が最小限に済んだため、引っ越し業者に頼まないコンパクトな引っ越しに成功した ※本文より抜粋 日本人には「結婚して家庭を持ったら賃貸住宅ではなく家を買う傾向(持ち家志向)がある」と言われ、私も「家の一軒も持つのが男の甲斐性」とか「一国一城の主」というような「持ち家志向を煽るフレーズ」をよく聞いたことがあったものです。 戦後の日本では「持ち家か賃貸のどちらがいいか」という問題は常に議論されてきたところがあり、“賃貸派”が「土地神話の崩壊によって家に資産価値なんてなくなっている以上、ローンを組んで家を買うのはリスクが大きすぎる。経済的には賃貸の方が得だ」という主張をしても、“持ち家派”は「確かに経済的にはそうかもしれないが、自分の家が持てれば精神的なゆとりが持てるし、社会的信用もつく。持ち家には数字には表れない価値がある」という説得力のある反論をするため、「持ち家にするか賃貸にするか」の判断を迫られている人にとっては「どっちにしたらいいんだ……」という悩ましい状態が続いていると言えます。 江戸時代の一般庶民にとって家や土地は「借りるもの」であり、「自分の家を買ってそこに一生住む」という発想は一切なかったようですし、個人の土地所有権という概念ができた明治以降であっても「一般庶民の持ち家率」は低い状態が続いていたようです。 それが、戦後の高度経済成長と“土地神話”によってもたらされた「土地の値段は上がるだけで下がることはないから家や土地は買った方が将来的に得になる」という考え方の影響によって「高度経済成長期以降は持ち家率が急上昇して現在に至っている」と言えますが、個人的に考えていく中で「土地神話が崩壊し、土地や家の資産価値がとことん落ちた(現在の価値が今後も続く保証は一切ない)状況であっても“賃貸より持ち家”という価値観が幅を利かせている背景には、過去から続く日本人のこだわりがあるんじゃないか」という思いになっていったところがあります。〜「まえがき」より

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