
〔電子〕風の通り道
村山亮
2021年12月27日
村山亮
0円(税込)
小説・エッセイ
風の通り道:「風が強く吹いている」。二十九歳になった私は、今日もいつもと変わらず、真夜中に文章を書いている。誰にも読まれない、孤独な文章・・・。そんなとき、日付が変わる五分前に、携帯電話の着信が鳴る。それは高校時代の同級生からのもので、彼女はとても脆〈もろ〉い状態に置かれている。私だってまだまだ弱いのだけれど、彼女はそれよりももっとずっと弱い。私は一瞬迷うのだけれど、結局は応答する。というかそれ以外の選択肢はないのだ。とりあえず今のところは、ということだけれど・・・(中編小説)。 好美さん:好美〈よしみ〉さんは六十代の後半くらいで(たぶん、だけど・・・)、ある日突然私の家にやって来た。彼女は清潔な郊外住宅地における核家族の中において(私には兄弟がいなかったのだ)、ちょうど大型犬と親戚のおばさんの間くらいの位置を占めていたのではないかと今では思う。私は十歳から十一歳になる頃だった。その微妙な年頃において、彼女は私の欠かせない精神的なパートナーとなっていった・・・(短編小説)。 増殖:俺はその日三十歳になって、なぜか世界が当たり前のものではないことを悟った。むしろ今までの方がどうかしていたのだろう、と思う。そこで仮病を使って、会社をずる休みして、その日一日を自由に過ごすことにする。それくらいの権利はあるだろうと思ったのだ。喉が渇いて、あるチェーンのコーヒーショップに行くと、耳の聞こえない若い綺麗な女性が隣に座ってきて・・・(短編小説)。 以上三篇の作品を収録。
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