〔電子〕闇に香る嘘
闇に香る嘘
下村敦史
2016年9月9日
講談社
858円(税込)
ミステリー・サスペンス
村上和久は孫に腎臓を移植しようとするが、検査の結果、適さないことが分かる。和久は兄の竜彦に移植を頼むが、検査さえも頑なに拒絶する兄の態度に違和感を覚える。中国残留孤児の兄が永住帰国をした際、既に失明していた和久は兄の顔を確認していない。27年間、兄だと信じていた男は偽者なのではないかーー。全盲の和久が、兄の正体に迫るべく真相を追う。
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古今東西の本棚
目が見えない世界でのミステリ
目の見えない和久は、孫娘の腎臓移植のため、中国残留孤児であった兄に適合検査を受けるように願い出た。しかし、兄からの激しい拒絶を受け、疑問を持った。あいつは、本当に兄なのか? 2015年このミステリがすごいの第三位、太平洋戦争末期、満州に取り残された中国残留孤児をめぐるミステリで、珍しいのは、主人公が全盲であるということです。目が見えないことのハンディキャップや、満州での出来事、中国残留孤児の扱い、色々と考えさせられる一冊でした。
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