
〔電子〕7つの階級
マイク・サヴィジ
2019年11月29日
東洋経済新報社
3,080円(税込)
ビジネス・経済・就職 / 人文・思想・社会 / ノンフィクション
BBCが行ったイギリスの階級調査を複数の社会学者が分析した書。 従来の階級研究は、上流階級、中流階級、労働者階級の3つに分け、中流と労働者の間を明確に線引きすることが重視されてきたが、現代はそれほど単純ではない。 他から隔絶した最上層のエリートと、何も持たない最下層のプレカリアート(不安定な無産階級)という両極の間に、単純明快に分けることができない幅広い中流層が存在するという。著者らはこの中流を、経済資本(所得・貯蓄・住宅資産)・文化資本(学歴・趣味・教養)・社会関係資本(人脈)をどのようなバランスでどのくらい所有しているのかに着目して5つに分類し、7階級の存在を明らかにした。 1.エリート(elite) 2.確立した中流階級(established middle class) 3.技術系中流階級(technical middle class) 4.新富裕労働者(new affluent workers) 5.伝統的労働者階級(traditional working class) 6.新興サービス労働者(emerging service workers) 7.プレカリアート(precariat) エリートを自覚しているくせに、自分は「普通」だと強調する現代的なエリートの姿、あからさまにはスノッブな態度はとらないが、自分の審美眼や知識をひけらかしたい豊富な文化資本の所有者など、英国階級調査参加者の偏りを補正するために行った追加的なインタビュー調査からは、現代のイギリスを生きる人々の生の声が知られ、非常に興味深い。 本書はイギリス特有の現象や慣例、考え方により叙述されるが、社会の上下両端の格差が著しいという状況は各国共通の現象であり、3つの資本が重なり合って格差が広がる実情は、私たち日本の現状にも当てはまる! 【主な内容】 序論 英国階級調査に見る現代の階級 第1部 社会階級のヒストリー 第1章 階級の境界線はどこかーー中流階級と労働者階級の違い 第2部 資本の蓄積と社会階級 第2章 社会階級と経済資本 第3章 高尚な文化資本と新興文化資本 第4章 社会関係資本ーーネットワークとつながり 第5章 新しい階級社会ーー資本の相互作用 第3部 社会流動性 第6章 人生の山を登るーー社会流動性の探求 第7章 大学間の格差ーー高等教育と能力主義 第8章 階級と地域格差 第4部 21世紀イギリスの階級格差 第9章 頂上からの眺めーーこんにちのエリート 第10章 もがき苦しむプレカリアートーー見えない人々 第11章 階級意識と新しいスノビズム 結論 21世紀の階級の政治 付録 英国階級調査について 謝辞 用語一覧
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