〔電子〕どんたく

竹久夢二は、画家であり、また詩人でもあった。「こはわが少年の日のいとしき小唄なり」と作者がはじめに書いたように、当作品は、少年時代にあった風景や人々や事物を扱ったと思われる「絵入小唄集」である。だが、七五調に似たリズムで続いていくそれぞれの小唄を読む内に、いつしか読者はそれぞれの少年少女時代のことを重ねて思うだろう。又、一つ一つの小唄を民話のように読む読者も出て来るであろう。 ここに収録されている「宵待草」は、歌曲としても有名である。 尚、エキスパンドブック版には、作者自身による挿し絵も収録した。（Juki）[文字遣い種別]新字旧仮名[底本]どんたく[出版社]中公文庫、中央公論社[初版発行日]1993（平成5）年7月10日