
〔電子〕あの子の骨は井戸の中
あの子の骨は井戸の中
時野つばき
2013年12月20日
ニューメディアプレス
660円(税込)
ライトノベル
「英雄なんざ必要ねぇ! 希望の灯火だとか光の刻印とか世迷い事抜かしてる暇があんのか?」「だったら俺が行く。他の誰かの助けなんか、待ってられない」 ゴブリンに攫われた少女を取り戻すため、薬草屋の中年男と見習い鍛冶屋の少年は荒野を行く。僅かな痕跡をたどる追跡は、やがて死臭と怨嗟溢れる『屍の井戸』へとたどり着く。ファンタジーでは飽きるほど繰り返される最初の冒険を、刑事ドラマさながらの丹念な筆致で克明に描き出す。些細な低レベルの事件、されど災厄に見舞われた当の親子にとっては命に関わる唯一の悲劇。別離と喪失の冒頭からやすらぎと昇華の終幕へ。これは引き裂かれた親と子が、再び巡りあう物語。
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