〔電子〕電子計算機の真髄=命令セット 第三巻 命令セットの科学
電子計算機の真髄=命令セット
山本登
2017年5月21日
エクスイズムCAS出版
1,100円(税込)
PC・システム開発
機械命令語の知識は情報処理業務に従事するどの種の技術者にも必須の知識です。ただし、その知識がないと業務を担えないという類の知識ではありません。指導的な立場の技術者だから必要ということでもありません。担当している職務に関係する様々な対象について、より広く、より深く、観察し、思考するために必須なのです。 また機械命令語についての知識ですが、命令セットの仕様がわかるとか、アセンブリ言語でプログラムを書けることは意味してません。曖昧かもしれませんが、命令セットの本質を設計する立場で理解しており、様々な事がらを命令セットの水準で考えられることだとしておきます。 本シリーズは読者をそのような理解状態に導こうとして執筆されています。情報処理系の諸学科の大学院生、大学生、高専の学生に特におすすめしたいと思っています。 第3巻の概要 「電子計算機の真髄=命令セット」シリーズを山脈に喩えるなら、第3巻は命令セットに関する最高峰の山です。 第1章では命令セットが担う情報処理システム中での役割を明らかにします。説明に用いる組立工場モデルは電子計算機の構成や動作に関する知識だけでなく、計算機プログラムと加工組立図とが緊密な対応関係にあることを教えてくれます。第2章から第4章までの章では、命令セットの表現形式と情報処理機能について設計者の視点から解説します。 第5章では、命令セットが関わる計算機や業務プログラムなどの本質を探ります。まず命令セットは抽象化された微小機能のプログラム部品でなければならない理由を考えます。次いで、電子計算機、業務プログラム、業務処理システムなどを主要な構成要素に分け、それらの設計に命令セットが及ぼす影響を考えます。第6章と7章では、機械語命令の実行に関わるキャッシュメモリなどの機構について、役目、構成、作動原理などを解説します。最後の第8章では命令セットのあり方について、対立するふたつの考え方を紹介します。 第3巻の目的 本書の第一の目的は、機械語命令の機能と表現法に関して着目すべき事がらを、設計者の視点から把握することです。従たる目的は、機械語命令の実行に関わる主要な機構の役割と作動原理を理解することです。なお、機能と表現に関する下記の指摘も大切です。 命令セットの設計は、どんなデータ種にどんな種の処理をするかを定める機能面の設計と、必要な指示項目を定め、それらを命令語の形式にどう収容するかを定める表現面の設計とがあります。両設計は独立した頭脳活動ですが、同一事物の別表現です。すなわち、両者は内と外、上と下、前と後ろの関係にあり、芝居やドラマにおける登場人物の性格や役割と、人物の外見や衣装などとの関係に似ています。あるいはドラマより濃い関係かもしれません。 両設計の関係を更に考えると、機能設計が先行しそれを追いかけるように表現の設計が続くのが自然でしょう。しかしこの順序は決定的ではなく、命令の種類によっては表現の設計が先行してもよく、同時平行的に検討してもよいでしょう。 機能設計の結果を把握すれば当該計算機の良さの程度がわかります。何が可能かがわかるからです。さらに表現形式の設計を把握すれば、作られるプログラムの姿や、そのプログラムの論理的な動きを思い描けます。ただし計算機内でのプログラムの実際の動きは、キャッシュメモリや命令実行機構を理解しない限り思い描けません。プログラムの論理的な動きと物理的な動き(計算機中での実際の動き)とは大きく異なることを知らねばなりません。 第3巻の構成 本書は8章からなります。第1章から第4章までは命令セットの機能と表現に関わる章です。第5章では先ず命令セットの神髄とも言える「機能的粒度」について考察します。続いて、業務処理プログラム、業務処理システム、電子計算機などについて、それぞれの構成要素への分解を試みると共に、設計に及ぼす命令セットの影響について解説します。この章の内容は他の本にはない貴重な内容が詰まっています。第6章と第7章では命令の実行に関わる主要な機構を解説し、第8章では命令セットに関する2つの考え方について解説します。 第1章 情報処理手順を記述するための命令セット 第2章 機械語命令の表現方法 第3章 演算と転送の命令セット 第4章 流れを制御する命令セット 第5章 電子計算機の本質を探る 第6章 関連ハードウェア 主記憶の仮想化 第7章 関連ハードウェア 命令パイプライン・割込み・入出力 第8章 CISCとRISC
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