〔電子〕施策デザインのための機械学習入門〜データ分析技術のビジネス活用における正しい考え方
齋藤優太【著】 / 安井翔太【著】 / 株式会社ホクソエム【監修】
2021年7月30日
技術評論社
3,278円(税込)
PC・システム開発
(概要) 予測に基づいた広告配信や商品推薦など、ビジネス施策の個別化や高性能化のために機械学習を利用することが一般的になってきています。その一方で、多くの機械学習エンジニアやデータサイエンティストが、手元のデータに対して良い精度を発揮する予測モデルを得たにもかかわらず、実際のビジネス現場では望ましい結果を得られないという厄介で不可解な現象に直面しています。実はこの問題は、機械学習の実践において本来必要なはずのステップを無視してしまうことに起因すると考えられます。機械学習を用いてビジネス施策をデザインする際に本来踏むべき手順を無視して予測精度の改善だけを追い求めると、「解くべき問題の誤設定」や「バイアス」といった落とし穴に気づかぬうちにハマってしまうのです。 この問題を解決するためには、機械学習のビジネス応用において必要となる前提条件を着実にクリアしなくてはなりません。しかし多くの現場では、「学習」や「予測精度」などに関する手法やテクニックのみに注目してしまう傾向があり、「機械学習にどのような問題を解かせるべきなのか」「実環境と観測データの間の乖離(バイアス)の問題にどのように対処すべきか」といった効果的なビジネス施策をデザインするために重要な観点が軽視されがちです。機械学習をビジネス施策に活かすための前提が整えられていないにもかかわらず、発展知識を身に付けたり論文の内容をそのまま実装したところで、望ましい結果を継続的に得ることは難しいのです。 本書では、ビジネス施策を自らの手で導くために必要な汎用的な考え方を身につけることを目指します。そのため本書ではまず、機械学習をビジネス現場で活用する際に本来踏まねばならないステップを明文化した汎用フレームワークを導入します。そしてその汎用フレームワークを活用しながら、効果的な施策を自らの手で導出する「施策デザイン」の流れを繰り返し体験します。これまで軽視されてきた「機械学習の威力を担保するために必要な前提のステップ」をフレームワークとして明文化し、データから施策を導くプロセスを自らデザインするという斬新なコンセプトで、ビジネスにおける変幻自在/臨機応変な機械学習の応用を可能にすることが、本書の最終目標です。 (こんな方におすすめ) ・ 機械学習エンジニア ・ データサイエンティスト ・機械学習エンジニア、データサイエンティスト職を志望する学生 (目次) 1章 機械学習実践のためのフレームワーク 1.1 機械学習の実践に潜む落とし穴 1.2 機械学習実践のためのフレームワーク 1.3 本章のまとめ 1.4 参考文献 2章 機械学習実践のための基礎技術 2.1 正確な予測を導く 2.2 高性能な意思決定を導く 2.3 Open Bandit Pipelineを用いた実装 2.4 本章のまとめと発展的な内容の紹介 2.5 参考文献 3章 Explicit Feedbackを用いた推薦システム構築の実践 3.1:Explicit Feedbackを用いた推薦システムの構築 3.2 推薦システムの標準的な定式化と手法 3.3 推薦システムに潜むバイアスの問題 3.4 フレームワークに則った推薦システム構築手順の導出 3.5 Pythonによる実装とYahoo! R3データを用いた性能検証 3.6 本章のまとめと発展的な内容の紹介 3.7 参考文献 4章 Implicit Feedbackを用いた推薦システムの構築 4.1 標準的なランキング学習の枠組み 4.2 フレームワークに則ったランキングシステムの学習 4.3 PyTorchを用いた実装と簡易実験 4.4 本章のまとめと発展的な内容の紹介 4.5 次章に向けて 4.6 省略した計算過程 4.7 参考文献 5章 因果効果を考慮したランキングシステムの構築 5.1:本章で扱う発展的な話題 5.2 推薦枠経由で観測される目的変数を最大化する 5.3 プラットフォーム全体で観測される目的変数を最大化する 5.5 本章のまとめと発展的な内容の紹介 5.6 参考文献 付録A 演習問題
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