〔電子〕子どもたちの未来を創ったプログラミング教育 〜日本最初のプログラミング教育を受けた小学生たちは一世代後にどう育ったか、プログラミングが育てた思考・創造力〜
戸塚 滝登
2022年6月9日
技術評論社
1,980円(税込)
人文・思想・社会
(概要) 新学習指導要領によって小中高校でプログラミング教育が義務化されました。しかし教育現場では本来の目的とされている子どもたちのアルゴリズム理解や理数能力の向上など、思考力や創造力を育てる授業とはほど遠いのが現状で、試行錯誤が続いています。 1970年代はじめ、パソコンの普及以前に米国マサチューセッツ工科大では世界最初の子ども用プログラミング言語『LOGO』が開発されていました。Scratchの母体となった言語です。そのLOGOを数少ない資料をもとに自作し、日本で最初に小学生にプログラミング教育を始めた小学校教師が著者の戸塚滝登氏です。先生は80年代初頭から20年間以上に渡ってプログラミング教育を実践し続け、日本の先駆者として知られています。 本書は、その教育を受けた子どもたちがどのようにプログラミングの授業を受け、その後どのように育ったのか、また、どのような職業についたのかを追跡調査した内容をまとめた書籍です。 身近な自然現象のおもしろさを探究するプログラミング理科、日常生活にひそむ算数や数学を探究するアルゴリズム算数など、戸塚先生は現在のプログラミング教育の源となった数々の教材と授業を開拓し、プログラミング授業によって生徒たちの探究心と好奇心を引き出し、思考力や創造力を育てました。その実践は新学習指導要領の中に姿を変えながら取り込まれています。 プログラミングによって養われる能力を子どもたちに身につけさせたいと望んでいる現場教師たち、自分の子どもにどのような教育を受けさせ、どうプログラミングと出会わせたらよいか悩んでいる親たち、そしてプログラミング教育の全体像を理解したいと望んでいる教育関係者と研究者たちにとって一助となる一冊です。 (こんな方におすすめ) ・プログラミング教育の授業内容や実践方法について知りたい小中学校教師。プログラミング教育の方法について知りたい教育関係者や研究者。 (目次) 第1章 30年後の宿題 ー教え子追跡調査プロジェクトのはじまりー 1 女学生さんの問い 2 新米教師とパソコン 3 山奥の分校へ 4 子どもたち 5 彗星さがし 6 教え子追跡調査の3つの特徴 第2章 最後のミッション 1 「教育」という車の奇妙なダッシュボード 2 どうやって長期教育効果を確かめるか? 3 教え子追跡調査の目的 4 2つの壁 5 追跡する教え子たちをしぼり込む 6 最初から驚きの結果が出た 7 偶然の比較対照実験 8 教師という名のコメットハンター 第3章 9つのプログラミングの物語 ーアルゴリズム算数・プログラミング理科ー 1 子どもたちにどのようにプログラミングを教えたか 2 村の地図を歩いてつくる ー1983年:氷見市立仏生寺小学校ー 3 ひまわりの葉の生長を調べる ー1983年:氷見市立仏生寺小学校ー 4 『ロゴたんけん隊』でプログラミングを学ぶ ー1985年:氷見市立湖南小学校ー 5 正11角形をさがせ ー1986年:氷見市立湖南小学校ー 6 木星の4つの月の公転周期を見つける ー1984年:氷見市立湖南小学校ー 7 クモはどうやって巣をつくるかプログラムする ー1986年:氷見市立湖南小学校ー 8 自然のパターンのひみつ ー1988〜1989年:富山市立神明小学校ー 9 ひよこの成長を追跡する ー1997〜1998年:富山市立堀川南小学校ー 10 再帰的プログラムで素数をさがす ー1994〜1995年:富山市立藤ノ木小学校ー 11 自然の音楽コンサートにて 第4章 プログラミングに優れた子どもたちの謎 1 3つの資質 2 8人の教え子たちとプログラミング 3 創造性、リジリエンス、不思議感受性 4 30年後の宿題プリント 5 大人になった教え子たちはプログラミング教育をどう評価しているか 6 学びは島、知識は海 第5章 「小さな研究室」の発見 ー一斉授業との決別ー 1 真逆の結果 2 プログラミング教育と一斉授業は「水と油」 3 一斉授業から隔離されて育ったITヒーローたち 4 学びのひみつ基地 5 「小さな研究室」のしくみ 6 あなたの学校にも「小さな研究室」は実現できる 7 3つの車輪 8 ガラパゴス・ゾーン 9 未来圏から吹く風を読む 10 プログラミング教育に課せられたミッション 第6章 論理の誕生 ープログラミング教育が育むものー 1 残された謎 2 変身キッズたちのプログラミング 3 あきちゃんのプログラミングの不思議 4 K君とデボラちゃんのプログラミング 5 論理の発見 第7章 プログラミング教育の根源1 ー元小学校教師の哲学者、ウィトゲンシュタインが考えたことー 1 ピアジェの問い 2 野生の思考と栽培された思考 3 ワイルドフラワーの謎 4 元小学校教師だった哲学者、ウィトゲンシュタインが考えたこと 5 プログラミングは子どもたちの思考に「論理の足場」を与える 第8章 プログラミング教育の根源2 ープログラミング教育の父、パパートが考えたことー 1 ピアジェの影武者、マカロックの弟子 2 マカロックとピッツのニューラルネット 3 パーセプトロンの失敗 4 LOGOの誕生 5 タートルの誕生ー論理思考をめぐらせるための道具ー 6 LOGOは教育思想だ 7 拝啓 パパート先生 8 プログラミングという「原教科」ーなぜ人工言語を学ぶのかー 第9章 学びをつれてくる「道具」 ーAIと子どもたちとの関わりー 1 「心の嵐」に吹かれた子 2 「道具」は学びに先行する 3 伝達主義と構築主義 4 衝突 5 縛られた振り子 6 AIはどのように学ぶのか 7 人はなぜ子ども時代を与えられているのか? 第10章 先生がくれた未来へのバトン 1 いいえ、10年先の仕事をやりに行くんです! 2 未来教師 3 女教師のバトン 4 「小さな研究室」の記憶 5 潮風とシャボン玉 6 学びの明かりを灯すもの 7 未来教師の使命 8 窓際のトットちゃんの謎 9 100人の教師の群れよりも、1人の教師の力を信頼する 10 最終便のモーツァルト 11 夜明けへ
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