生き延びるための思想

ジェンダー平等の罠

上野千鶴子(社会学)

2006年2月28日

岩波書店

2,640円(税込)

人文・思想・社会

「男女共同参画」でフェミニズムの課題は解決するのか。そもそもフェミニズムとは何か。「男なみ」をめざすことで袋小路に入り込んでしまった(リベラル)フェミニズムの思想的な落し穴を指摘し、国家暴力と対抗暴力とを問わず、社会のなかの暴力的な構成=男仕立ての「死ぬための思想」を根源的に批判。国家、暴力、ジェンダーという問題系をめぐる近年の議論を再構成し、「弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想」としてのフェミニズムの立場から、人間らしく生きるために今なにが問われているのかを明晰に論じる。幅広い活動を展開する著者の問題関心を結節するとともに、その思想的な中核を浮彫りにする重要な一冊。

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