告白(上)

岩波文庫

ジャン・ジャック・ルソー / 桑原武夫

1989年6月30日

岩波書店

1,177円(税込)

人文・思想・社会 / 文庫

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Readeeユーザー

(無題)

-- 2019年06月16日

ルソーはこの告白を60代で書いたのには驚きである。 感性が若木を裂いたごとく繊細(そうでないところもあるが矛盾も包み隠さない)で実にみずみずしい。 ヴァランス夫人とのピクニック、ささやかな可愛らしい昼食、草の上の読書、小鳥のさえずりや植物を愛する二人の花や草の談義、丘から見下ろすマジックアワーの街並み... また旅先での素敵な2人の少女に囲まれての長椅子でのランチは、後世、どんな高価で優雅な食事もこの幸福を超えることが遂にはできなかったと書いている。 思い出は宝石であり財産である。 どれもこれもロマンティックというよりは詩的、メルヘン..ポエジーである。 田舎行きは椿姫がアルマンに田舎に行って二人で牛乳を飲んだりして楽しく暮らしましょうと田園に逃避行するシーンが思い浮かんだ。 この夫人ヴァランス夫人(ママン)はいくら魅力ある女性が現れても別れた後も終世関わる宿命の女性のようである。(中巻未読] 万葉集などをかじって自然に託した恋情、雄大な山に寄する歌、みやびやかさ、藤袴、女郎花、萩..などの花々のあるいは名も無き花の可憐さや雅な梅の香り、桃の話、王朝のゆかしさに親しんで?しまうと このルソーのポエジーは少し饒舌に感じないでもない。 そしてまた私が西欧人なら逆に日本の古典に物足りなさを感じたに違いないだろう. お互い風土がわからないと物語はその心情も風景も想像だけしか縋るものがない。 でも告白と言うからには饒舌、それは仕方のないことだ。 万葉集とフランスのルソーを比較などできるわけがない。 ヴァランス夫人の本音(自殺した植物学者の青年への愛、ルソーの旅先での自分と違う夫人のと恋愛を知り、嫉妬して新しいつまらぬ男をそばにおきルソーと距離を置いたのでは?と言う疑惑)はルソーの一方的な言葉では全く見えてこない。 長年慈しみ自分をママンと呼ぶ青年を捨てさっさと意味なく違う青年にのりかえるだろうか? 疑問が残った。 あと、この1巻は少しヴェレヌの80日間世界一周に通じる旅の夢がある。悔しさや惨めさをたっぷり味わったとしても夢溢れる少年青年時代の旅先の思い出は迸る青春の息吹そのものだ。 ここまで書いて、中巻 下巻が思想的対立?友の裏切りなどの羅列であるならば読む自信がなくなった。 モチベーションか落ちる。 が、5年かかっても告白は読了するつもりではいるのだ...

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