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(無題)
とうとう下巻に入った。 東浩紀が書いていた2ちゃんねる的な炎上展開を早く読みたい。 イギリス関連、悪魔と裏切者も読みたい。 続けて一人の作家関連を読みたいと思ったのは久しぶりである。 7月26日読了。 ようやくこの偉大なる思想家の著作を読了した。 感想よりも何より達成感でいっぱい。 上巻のルソーの青い瑞々しさは遠い昔になった。 ヨーロッパ各国の王家の君公とも近づきながら、陥れられ、老境に至ってラスコーリニコフの下宿のような屋根裏にまで堕ちていく痛ましい姿。 忌まわしいベルヌにての大地への抱擁は皮肉な運命となったが、ドストエフスキーはこのシーンにヒントを得たのだろうか? 絶えぬ迫害に運命を絡め取られ転落していった要因は「エミール」執筆出版であったと私には思われる。 この辺りから親密に付き合っていた貴族やドゥドト夫人までもルソーに微妙に距離を置き始める。炎上もこの前後の書簡のやり取りあたりのいきさつらしく確かに面白い。 思想と宗教(彼はカトリックからもプロテスタントからも憎まれた)、階級問題という恐ろしい言論の世界の淵で孤独に戦ったその姿は大方の人間には狂人の様相を呈したかにしか写り得なかっただろう。 繰り返し描かれる他者と比較しての自らの圧倒的な純粋さ、正直さ、博愛精神などは読者に作者を愚かで滑稽な人物と思わせて余りある。が私自身、若い頃は自分自身をそのように位置づけて内心自画自賛する悪癖はあったし、それは今なおわずかに残っている(さすがに他人に告白する勇気はない)ので被害者気質といい、ルソーには共感しかない。 しかし人間の本質は悪魔的なものが潜んでいるいう供述も忘れていない。というか繰り返される他者からの手の平返しを読むにつけこちらが主題だろう。 サン・ピエール島での暮らしはルソーがこよなく愛した自然愛に溢れ、上巻を思わせる癒し、詩的で美しい日々であったがそれすらも迫害の手を免れずうたかたと消えてしまった。 しかし読後、力あるルソーの作品、思想は死後も永遠に地上から消え去ることはないことに気付くと、読者はそこに慰めと救済を感じずにいられない。 ☆☆ 思想については感想は殆ど書かなかった。 エミールも社会契約論も読んでいないのだから書きようもない。一般意志などに大変興味があるけれど難しそう。 神によっても宮廷によってもその他の何によっても権威づけられぬ、ただ自分ひとりを信じる自分の価値。 今となってはそれらは常識でしかないみたいなことがあとがきに書いてあったが、圧政の時代にあってその創始者として当時としては大変危険な、そして独自の価値を生み出したルソーに「告白」を読めば誰しもが圧倒されるであろう。 「もし私の思索が王より豊かなら私の魂の歴史は王たちの歴史より遥かに興味あるものなのだ」
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