倫理学(3)

岩波文庫

和辻哲郎

2007年3月31日

岩波書店

1,100円(税込)

人文・思想・社会 / 文庫

和辻哲郎の主著であり、近代日本最大の体系的哲学書。家族から文化共同体に至る人倫態の考察を経て、本冊では、「人倫的組織の人倫的組織」である国家が、あらゆる共同体を体系的に統一するゆえんを述べる。また国家を媒介に、人間存在の根本理法である時間性・空間性が、歴史性・風土性として具体化される諸相を説く。全4冊。

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Readeeユーザー

全体性の倫理学

-- 2021年09月28日

和辻において、倫理は超越的なものに基礎づけられた個人個人が、それに従って行うもの、といった形ではない。むしろ解釈学を援用しつつ、「間柄」が実現されていることが倫理であるとする。どのように「間柄」が実現されるかは空間的・時間的に異なってくるものの、個々人はその実現のために「間柄」に続いて出てくるものにすぎない。全体としての「間柄」が先行するのである。この全体的なるものは色々な社会組織が当てはまりうるが、ではそれが国家だったとき、ただ国家に従うのが倫理なのか。逆に言えば国家の統治はことごとく倫理的なのか。暴力的な国家に立ち向かう根拠となる倫理の存在論的根拠はないのか。和辻倫理学はこうした疑問を読者にもたらすものである。

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