
自動車の社会的費用
岩波新書
宇沢 弘文
1974年1月1日
岩波書店
902円(税込)
ビジネス・経済・就職 / 科学・技術 / 新書
まえがき 序 章 1 自動車の問題性 2 市民的権利の侵害 1 自動車の普及 1 現代文明の象徴としての自動車 2 自動車と資本主義 3 アメリカにおける自動車の普及 4 公共的交通機関の衰退と公害の発生 5 一九七三年の新交通法 2 日本における自動車 1 急速な普及と道路の整備 2 都市と農村の変化 3 非人間的な日本の街路 4 異常な自動車通行 3 自動車の社会的費用 1 社会的費用の概念 2 三つの計測例 3 新古典派の経済理論 4 社会的共通資本の捉え方 5 社会的コンセンサスと経済的安定性 6 市民的自由と効率性 7 社会的共通資本としての道路 8 自動車の社会的費用とその内部化 4 おわりに あとがき
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Tojo Hiroyuki
公共と自由市場の相性の悪さ
人間尊厳がまずありき(これは内田樹も経済を語る前提としてた)。 宇沢弘文が遺した成熟経済への処方箋 社会的共通資本の思想 小島 寛之 ー社会的共通資本とは、森林や海洋などの自然環境、道路・下水道・湾岸などの社会インフラ、医療・教育などの社会機関から成る。 ー社会的共通資本は、市場原理に委ねられてはならず、社会の共通の財産として社会的な基準に沿って管理・運営されなければならない。 何かを得るときにそれに伴う社会的費用の存在をちゃんと理解して当然負担する必要がある。 自分の才能で儲けているように思い込んでるやつはここを支払わずに利が出てるだけかも。 さらにその支払いが低所得者・老人・子どもなど、経済的な弱者に負担させられより格差が広がるケース。 自動車は誰でも乗れるものではないのに、ガソリン代や、自動車税以外の危険、騒音、汚染、エネルギー消費など見えない社会的費用はみんなで負担している。 課題を解決しても同じ課題が繰り返される構造がある。 p58 ロス・道路と駐車スペースで都市面積の50%。しかも道路混雑は解消していない。→解消した分だけ車が増え、帳消しになる。 前半は自動車による人権無視に対する怒り。自動車が本来払うべき社会的費用が過小であることへの指摘。 後半の「自動車の社会的費用」は主流の自由経済を評価する経済学がいかに公共材と相性が悪いか丁寧に解説。こちらは特に面白い。(市場の調整が起きない) 自由市場の仕組みによって物事を決めていくのが正しいと言う考え方が蔓延している現代の中で、社会的共通資本の発想からインフラを作り直すことはかなり難しい。その中で、パタゴニアしかり企業の理念がどれだけ重要かと言うのを改めて実感している。 経済学の理論ってあらためて読むと、ご都合主義的な設定があり、数値化しづらいもの感情とか、すっ飛ばしたり。経済活動の結果が即反映されるとか、損得で動く前提になってたり。実はもっと不合理なんだけど、合理で動いたと見做してる感じ。結論ありき。
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