沖縄の淵

伊波普猷とその時代

岩波現代文庫 学術386

鹿野 政直

2018年8月20日

岩波書店

1,760円(税込)

人文・思想・社会 / 文庫

序  凡 例 一 世替りを受けとめて  誕生から幼少の頃  中学時代ーー日本・世界へのめざめ  二人の教師  ストライキ事件と退学処分  出京ーー懊悩の中の自己形成 二 新知識人の誕生と帰郷  東京帝国大学言語学科での学び  文学士の帰郷  資料収集・講演活動  著述活動  図書館長として  結婚問題と“因習” 三 『古琉球』  出版の経緯と体裁にみる特徴  在京期の作品  帰郷後の作品  日琉同祖論の形成  経世論としての日琉同祖論 四 精神革命の布教者  『古琉球』がもたらしたもの  「心中の奴隷を除くより始めよ」  東京での『古琉球』再版  弱者の主体性を搔きだす  世替りを希求する心  沖縄びとへの檄  「マザータング」の保持のために  女性史を開拓する  子どもへの啓蒙活動  女性への啓蒙活動  青年・教員への啓蒙活動  沖縄社会回復への情熱 五 転回と離郷  ソテツ地獄  思想的転回  もがきと脱出の決意  柳田国男の慫慂  「おもろさうし」の校訂  離郷へ 六 「孤島苦」と「南島」意識  「清貧」の暮し  ハワイ訪問  東京での活動と思索  「孤島苦の琉球」  「琉球」「沖縄」から「南島」へ  琉球を「傍系」とする意識  ヤマトとの共通性の探求  新おもろ学派からの批判 七 「父」なるヤマト  時局の緊迫と「おもろ」世界への沈潜  信仰の原型を求めて  稲作と火の神  喪失に抗する思索  「あまみや考」  北方志向  「母の言葉」「父の言葉」  方言論争をめぐって  太平洋戦争下の伊波  河上肇との交友  亡びの予感を抱えて 八 亡びのあとで  敗戦と沖縄人聯盟  研究継続への思いと急逝  『沖縄歴史物語』  あとがき  補 記  付 歴史との邂逅ーー「日毒」という言葉………八重洋一郎  伊波普猷略年譜  現代文庫版へのあとがき

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