BT ’63

池井戸潤

2003年6月30日

朝日新聞出版

2,090円(税込)

小説・エッセイ

喪失感、タイムスリップ、疾走するボンネットトラック…現在と昭和30年代をクロスオーヴァーする壮大なエンターテインメントついに刊行。

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Readeeユーザー

(無題)

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3.1 2018年01月28日

二段組530ページはさすがに読み応えがありますね。本書はいつもの池井戸作品とは趣を異にしています。企業もの、銀行ものから離れてタイムスリップのSFミステリーです。 書名のBTはボンネットトラックの意味です。そんなトラックが登場するのですから、時代は昭和の高度経済成長期直前です。ボンネットトラック63台を所有する運送会社に勤務する大間木史郎は、主人公の大間木琢磨の父親です。琢磨は統合失調症を発症し二年間の闘病後、医師に寛解を宣言されます。この間、職と家庭を失いました。別れた妻は琢磨が病気で自分を失っている間に他の男を愛してしまいます。ところが結婚を約束した男は、琢磨の妻を利用しただけで資産運用の失敗を妻が一人でかぶることになったのです。 主人公の父親史郎が残したBT21号のキーを持つと、父が働く時代にタイムスリップして、父と琢磨がシンクロしてしまうのです。この現象に対して琢磨は、病気が再発してしまったのか、それとも更に進んでしまったのか迷いがありました。しかし、今は亡き父親の若い頃のいろいろな出来事を知り、さらには自分探しの旅が始まります。 昭和38年、運送会社に勤務する若き日の父親に琢磨は「宅配便」と囁きます。これをヒントに史郎は新規事業を立ち上げます。琢磨は史郎の過去をなぞることで自分が歴史を変えたことに気がつきます。そして過去を変えることで別れた妻を救うことができるのでは無いかと考えるようになります。 BT21号車は呪われた車輌として4人の運転手の命を奪います。そしてその深い闇は会社も新規事業も飲み込んでしまうのです。琢磨はもはやBT21のその後を追わずにはいられなくなります。

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