しろいろの街の、その骨の体温の

クラスでは目立たない存在の主人公、結佳の、小学生～中学生の第二次性徴を描いたお話。結佳は、習字教室が一緒の伊吹と仲良くなるが、次第に彼を「おもちゃ」にしたいという気持ちが高まり、伊吹にキスを迫り、、、 主人公は不快感や嫌悪感を抱いているものの、文体として美しく描かれているため、"しろいろの街"の描写が美しく感じ、書影や実際のリアルの街中の白い建物や画一化された建物や舗装された白い道、ニュータウン等への見方がわかる(美しく感じる一方、主人公の嫌悪感、主人公の気持ちと街とのリンクもわかるような的な…？) 主人公を追い詰めて行くのがなかなかつらい一方、その真っ直ぐなつらさが、読み進めたい、目をそらせないという気持ちにさせられる。 第二次性徴中の主人公が、性的な違和感や、社会という価値観の化け物に苦悩するお話。女子のスクールカーストのお話。「幸せ」さんの伊吹にはわかほない。出版社からハッピーエンドを頼まれて書いたお話。性的な描写じゃちょっと過激かも。 ニュータウンも、実際の村田沙耶香さんの暮らされてたような所。 価値観揺さぶられる。スクールカーストに関わらず、誰もが、謎の暗黙の了解というようなルール(価値観)のもと、自分を圧し殺して、生活させられている。 恋愛は発狂するもの。 上には上の、下には下のヒエラルキーがある。 「きもーい」「気持ち悪い」「死ね」「嫌い」は、"私"からできた"輪郭"で宝物にした。 美しさを、自分から感じた。 井上の精神的な自慰行為と、私の身体の神秘的な初潮。

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