ラブコメ
角川文庫
原田 マハ / みづき 水脈
2015年10月24日
KADOKAWA
484円(税込)
ビジネス・経済・就職 / 文庫
作家・原田マハと漫画家・みづき水脈がタッグを組んで、自然農でコメ作りを始めた。種籾をまき、畦塗りをし、田植えをする。草を刈り、かかしを作り、いよいよ稲刈り。金色に輝く稲穂から脱穀し、そして豊穣祭ー。今どきイケてる農作業ファッションとは?ていねいに育てられたお米の味は?早起きや力仕事もチームワークで乗り切る、発見と驚きに満ちた一年間のコメ作り。田園に吹く爽やかな風を感じる、エッセイ&コミック。
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(無題)
ラブコメのコメは、コメディーではなくてお米のことです。本書は、作家の原田マハと、漫画家のみづき水脈による米づくりの体験エッセイです。 何と言っても、コメ作り挑戦に至る経緯が面白いんです。そもそものキッカケは原田が日本農業新聞に小説の連載を依頼された事に始まります。小説の構想は「コメ作りによって人生が変わってゆく若者の姿を描く」ことでした。読者は農家、農業のプロです。下手なことは書けません。読者に違和感を持たせずに読んでもらうには、きめ細かい取材に勝るものはありません。取材先として白羽の矢が立ったのは、八ヶ岳自給生活学校を主催する黒岩夫妻でした。インタビューの最中、著者はいつの間にか自分が米作りの渦中にあることを発見していました。その時の著者は、ターシャ・チューダー的環境で、マーサ・スチュアート的カントリールックスで、栗原はるみ的雑貨をふんだんに使用した農スタイルを夢見ていたのです。こんなノリで自分もコメ作りを経験しようと考えたのでした。 軽いノリの原田でしたが、それ以上にノリの良いのがみずき水脈でした。原田が来年の抱負として米作りに挑戦にすることを表明し、同調者を募った時、彼女は即手を上げていました。 こうして、自然農による米作りが始まり、その間10ヶ月の作業が記録されています。先ずは種もみ選別、籾殻を燻炭にしたもので苗床を作ります。次は泥と格闘しながら畦塗りをし、やがて春の大イベント田植えとなります。そして、草刈りです。カンカン照りの太陽の下での草刈りは一番辛そうですね。 稲穂に実が入ると鳥やイノシシの標的になります。案山子が思いのほか効き目があるというので、案山子作りもしました。米作りの最大イベント稲刈りを迎え、脱穀して、コメ作りが終了しました。 こうして手にしたのは、うるち米一人13キロ、黒米ともち米がそれぞれ5キロ。自分で作ったコメは涙がでるほどうまかったそうです。
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