お金の流れで読む日本の歴史

はっきり言って1章古代は微妙。文献が少なすぎるので仕方がないが、筆者の妄想で全体としてもやーんとしてる印象。 しかし、２章中世～近現代にかけては面白く読ませていただいた。むしろここからにポイントを絞った方が良かったのでは（日本史のイントロとして仕方がないか...）。 武田信玄や源頼朝、義経の逸話、港を押さえることが戦国時代を制する胆であること、日清日露戦争を酒税で乗り切った話等は特に良い。また和同開珎発令時、通貨の概念がない民衆に通貨という認識を定着させるのは、確かに非常に困難であったろう。現代のデータを通貨とする電子マネーに通ずるところを感じた。 また現代史としては非正規雇用対策が少子化対策につながるというくだりはなるほど納得。 「歴史はイデオロギーだけで動くことはほとんどない。何か経済的な背景があるはず（p.209）」 逆にイデオロギーだけで動いた例があれば教えてほしかった。金は重要ですね。

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