閃光スクランブル

最初はあまり情景や会話が素直に頭に入ってこなかった。その段階では小汚ないオジサン3人しか登場していなく、しかも彼らはパパラッチとかゴシップ記事を書いたりを仕事にしていて、やっている事にも嫌悪感を抱いたからだと思う。しかし、その前に「傘を持たない蟻たちは」「Burn」を読んでシゲの作風や作品の読みごたえも分かっていたため、我慢して読み進めた。そしてあれよあれよと物語に引き込まれていき、気がついたら日が暮れていた。ヒロインのアッキーの心理描写がシゲの本音や悩みも現れているんだろうと思うと胸が苦しくなる場面もあった。また、アッキーと巧が逃避行の旅をしている間に二人が自分と向き合って傷を癒し前へ向かおうとするシーンに胸は熱くなった。 作品が書かれた頃の事を考えると、アッキーはシゲなんじゃないかと胸が苦しくなる。物語なのだから全部が全部アッキー=シゲではないんだろうけど、アッキーを通してシゲの辛い想いが吐き出されてるような気がして、アッキーを支えるファンのように私もシゲを支えたい気持ちになった作品だった。

非表示