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オリジン 下
ダン・ブラウン / 越前 敏弥
2018年2月28日
KADOKAWA
1,980円(税込)
小説・エッセイ
ラングドンとともに逃げるアンブラは、スペイン王太子フリアンの婚約者だが、カーシュ暗殺にはスペイン王宮が関わっている可能性があるという。“われわれはどこから来たのか”“われわれはどこへ行くのか”という人類最大の謎を解き明かした映像を見るには、スマートフォンに47文字のパスワードを打ち込まねばならない。カーシュの部屋で手がかりを得たラングドンは、サグラダ・ファミリアに向かう。迫る暗殺者、正体不明の情報提供者。誰が誰を欺いているのか、先の見えない逃亡劇は、衝撃的な結末へー
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(無題)
本書を貫く一貫したテーマは「我々はどこから来たのか、どこへ行くのか」である。人類の起源と進化論と言い直すこともできよう。天才的未来学者カーシュが、この人類最大の謎をIT技術を駆使して解き明かしたのだった。そして全世界にその内容を発表する場でカーシュは射殺された。 まずは、生命の起源である。これは生命の誕生に創造主を想定するか、生命の誕生は物理現象に過ぎないとするかの二者択一である。カーシュの発表が宗教界を震撼とさせるというのだから、当然カーシュは後者の立場をとるのは明白だ。次には人類の将来像である。カーシュは大変に興味深い結論を出している。人工知能と人類の融合である。そして、このテーマを解き明かすのに大活躍したのが、カーシュの開発による高性能の人工知能・ウィンストンである。 そして中断されたカーシュのプレゼンテーション映像を再開するには、カーシュの スマートフォンに47文字のパスワード を打ちこむ必要があるのだ。そのパスワードを求めてラングドンと美女との逃亡劇が展開されるのはいつも通りだ。そして舞台をスペインの観光名所、ガウデイのカサ・ミラやサグラダファミリアへと移すのもお約束通りである。 かくして波乱万丈な物語は読者の予想を裏切りつつ大団円へと導かれる。さて、私は冒頭で本書のテーマは「我々はどこから来たのか、どこへ行くのか」と述べた。しかし、思い返して欲しい。この言葉はゴーギャンの絵画「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」に由来する。そして3つの問いのうち真ん中の「我々は何者か」には一切触れていない。大上段に振りかぶっていながら、はぐらかされたような思いが残るのはそのためであろうか。
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ラングドン教授シリーズはしんどい
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