人間失格

角川文庫

太宰 治

2007年6月23日

KADOKAWA

314円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

「恥の多い生涯を送って来ました。自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです」青森の大地主の息子であり、廃人同様のモルヒネ中毒患者だった大庭葉蔵の手記を借りて、自己の生涯を壮絶な作品に昇華させた太宰文学の代表作品。「いまは自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎて行きます」ほかに、家族の幸福を願いながら、自らの手で崩壊させる苦悩を描いた「桜桃」も収録。

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Readeeユーザー

罪と罰

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4.5 2019年09月08日

「罪と罰」これがかなり深く残った。 太宰が考え生み出した言葉遊び。 これで、罪の対義語は何か、考えている時、 ふと太宰の脳内に、ドストエフスキー「罪と罰」が 思い浮かぶのだ。 これを読んだ瞬間、「なるほど!」と思った。 深く納得した。 太宰の何が不幸かというと、彼自身の失敗、過ち、罪が、 直接的に彼を地獄へ陥れている事だと私は思う。 作中にもあったが、人に不幸を抗議したとして、 普通なら同情され、その後その同情から親切が生まれるが、 彼の場合、同情されるどころか、罪なわけであるから、 そんな事を訴えるなんて、わがままだと捉えられるのだ。 でも私は、彼がこの世に存在してくれた事を有難く思う。 彼の思考が、実に面白かったからだ。 そして彼は、人を恐れる一方で、裏面的にはともかく、 結果、人に合わせてばかりいるではないか。 時代も時代、生まれた家柄も家柄なのであろう。 私は彼が何度も自殺を試みた事に関しては、 もし仮に彼の家族だったとして、絶対に叱らない。 それは私自身が、幾度となく、 自殺を考えてきたからであるのもそうだが、 ふむ、今考えて、彼のありのままを文章で読んだから、 そう言えるのかもしれないとも思い始めた。 というのも、家族は、許す、許さないは置いといて、 太宰の精神的苦痛を知らないから、ああやって呆れるが、 私たち読者は、彼のおそらく全てであろうものを知ってる。 私は思う。 もし彼がもっと人に相談できる人で、 彼の家族ももっと相談しやすい人だったらどうだろう、と。 人間失格という名作は遺らなかったかもしれないが、 太宰の幸福度は上がったかもしれない。 そんなこんなで、長くはなったが、とにかく人間失格、 数時間であっという間に読んでしまった。

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