アスファルトの虎（タイガー）（part　14）

“世界最速の男”と崇敬をこめて称されるドライヴァーズ・ワールド・チャンピオン。この栄冠を得るために、高見沢優は強固な精神力と最高の技術をもって激走を続けている。だが、オーストリアＧＰ二十八周目、高見沢は周遅れ車のトラブルに巻き込まれクラッシュを起こしてしまう。一方、チャンピオンシップの得点で二位につけていたニキ・ラウダがこのレースを制し、ついに高見沢は逆転されてしまった。残るレースは僅か四戦。野望の男に勝利の女神は微笑むのか。欲望、裏切り、屈辱、そして栄光を描いた大藪文学の金字塔、ここに完成。