百物語の怪談史

角川ソフィア文庫

東 雅夫

2007年7月25日

KADOKAWA

902円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

怪談の真髄がここに! 怪談、百物語研究の第一人者・東雅夫が、古今東西の文献から掘り起こした、江戸、明治、現代の百物語のすべてを披露。百話の怪異談を交互に語り合う怪談会のさまざまな趣向、話の多様性、そして鏡花、鴎外、円朝などの風流人士が語り継いだ、百物語の怖さと面白さを網羅する。なぜ人は、百物語を語りたくなるのか、なぜ恐怖を感じるのか、その理由が一つ一つ解き明かされていく画期的な一冊! 前口上 第一章 「百物語の怪異談」アンソロジー 百物語 岡本綺堂 首くくりの女  ──『怪談老の杖』より 女たちの生首  ──『諸国新百物語』より 百物語を諫めるもの  ──『椒図志異』より 怪を話さば怪至る  ──『伽婢子』より 百物語をして蜘蛛の足を切る  ──『宿直草』より 百物語で金持ちになる  ──『諸国百物語』より 黄金の精  ──『御伽百物語』より 百物語で出世した男  ──『太平百物語』より 百物語に恨みが出る  ──『諸艶大鑑』より 平太郎百物語  ──『三次実録物語』より 「百物語の怪異談」収録作について 第二章 百物語の起源と歴史 百物語の「百」とは? 百鬼夜行と百物語 稲生物怪録と百物語 百座法談 御伽衆の退魔呪術 フォークロアとしての百物語 ネガティヴな結末 日本最初の『百物語』本 巡物語の妖しい系譜 海外の巡物語  ──『デカメロン』から『ゴースト・ストーリー』まで 百物語文芸の誕生 第三章 百物語本クロニクル(近世篇) 『諸国百物語』 『古今百物語評判』と『画図百鬼夜行』 『諸国新百物語』 『好色百物語』 『御伽百物語』 『太平百物語』 『万世百物語』 『古今百物語』 『新選百物語』 『新説百物語』 『近代百物語』 『教訓百物語』 『狂歌百鬼夜狂』 『絵本百物語』 『狂歌百物語』 『怪談百物語』 舞台の百物語  ──「公平百物語」と「闇梅百物語」 描かれた百物語  ──浮世絵と黄表紙 『暁斎百鬼画談』 第四章 近代文学史と百物語 百物語と幽霊画蒐集  ──三遊亭円朝異聞 怪談復権の狼煙  ──『幽霊一百題』をめぐって 八雲が愛した百物語本 森鴎外「百物語」の虚実 依田学海の百物語詩  ──「鬼趣行」 向島の化物会と『怪談会』 泉鏡花の百物語小説 「怪談百物語」さまざま われら本朝の鬼のために  ──泉鏡花と柳田國男 怪談文士たちの青春  ──水野葉舟と佐々木喜善 青蛙堂の夜は更けて 怪談青年の憂愁  ──畑耕一「怪談」 龍之介の独り百物語  ──『椒図志異』 当世百物語と百鬼園と 怪奇探偵小説と百物語  ──小酒井不木 『古今怪異百物語』のこと 百物語という呪い 第五章 百物語本クロニクル(現代篇) 第六章 百物語実践講座 マナーの問題!?  ──最初に心すべきこと 誰を呼ぶか、いつ何処でやるのか? 作法の基本あれこれ おわりに

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