朱色の研究
角川文庫
有栖川 有栖
2000年8月25日
KADOKAWA
814円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
“2年前の未解決殺人事件を、再調査してほしい。これが先生のゼミに入った本当の目的です”臨床犯罪学者・火村英生が、過去の体験から毒々しいオレンジ色を恐怖する教え子・貴島朱美から突然の依頼を受けたのは、一面を朱で染めた研究室の夕焼け時だったー。さっそく火村は友人で推理作家の有栖川有栖とともに当時の関係者から事情を聴取しようとするが、その矢先、火村宛に新たな殺人を示唆する様な電話が入った。2人はその関係者宅に急行すると、そこには予告通り新たなる死体が…?!現代のホームズ&ワトソンが解き明かす本格ミステリの金字塔。
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毒々しいまでの夕日
自分は太陽に呑み込まれたんだ】 ある日の大阪の夕陽。 強烈なオレンジ色。 毒々しいまでの朱色。 まるで世界の終わりのようだった。 何もかもが燃えているようで、その中に身を投げたくなるような怪しい色の渦。 その日の夕陽は、それを浴びたものが正気でいることを許さないかのようであった。 「二年前の未解決事件を再調査してほしい。それが先生のゼミに入った本当の目的です」 と、火村は教え子に調査を依頼される。 彼女は、過去のトラウマから毒々しいオレンジ色を恐怖するという珍しい体質の生徒だった。 早速火村は、友人で推理作家の有栖川有栖とともに当時の関係者に会うことにした。普段から教鞭の傍ら、実際の事件をフィールドワークにしているので、警察とも関係は良好だ。だが、その矢先、火村宛の電話がなぜかアリスの宅電に入る。アリスの家のすぐそばにある、通称「幽霊マンション」の806号室へ今すぐ行け、というのだ。名前も言わず事情も話さない。悪戯電話なのかどうもはっきりしない。そもそも火村がアリスの家にいること自体たまたまであって、それを今知っている人がいるのかと思うと気持ちが悪いので、とりあえず行ってみると、、、、 そこには死体があった。 火村とアリスは同時に二つの事件を捜査することになった。 関係者をあたっていくとなぜか二年前の関係者が先ほどの事件に深くかかわってくる。 二つの事件はつながっているのか? 二年前の事件が原因か? 関西のシャーロックホームズは、複雑に絡み合った心理戦を突破できるのでしょうか?
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taboke
(無題)
読みやすい。作品にも入り込み読み進めていける。 論理展開は…火村氏の頭の中だけで構築されていて、劇中では正解なのだろうけれど、ちょっと「えっ?」という感じ。 フーダニットと割り切って、ドラマとして読むべし。
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