とんび

角川文庫

重松 清

2011年10月31日

KADOKAWA

704円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

昭和三十七年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。愛妻の美佐子さんとのあいだに待望の長男アキラが誕生し、家族三人の幸せを噛みしめる日々。しかしその団らんは、突然の悲劇によって奪われてしまうー。アキラへの愛あまって、時に暴走し時に途方に暮れるヤスさん。我が子の幸せだけをひたむきに願い続けた不器用な父親の姿を通して、いつの世も変わることのない不滅の情を描く。魂ふるえる、父と息子の物語。

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Readeeユーザー

父親の物語

starstarstarstarstar 5.0 2021年04月11日

親子の物語ではない父親の物語、男の物語。子供の成長を通して男親の成長を観る珍しい小説ではないか? ひねったものが評価されがちな最近の小説の中ではストレートな小説で、重松小説の中でもストレートな作品である意味、異質な小説。 奇をてらう部分もなく、泣かせたい部分をそのままストレートに書いている。 ある意味安直だが、それでいい。それがいい。

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Readeeユーザー

【僕に、恨みを抱かせなかった父を誇りに思う】

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4.5 2021年03月12日

【子どもの悲しさを吞み込み、子どもの寂しさを呑み込む、 海になれ】 小さい頃にお母ちゃんは父親を助けて事故で死んだ。気がついたらお父ちゃんと二人家族だった。 親が子どもにしてやらんといけんことは、たった一つしかありゃあせん。子どもに寂しい思いをさせるな。子どもの悲しさを吞み込み、子どもの寂しさを呑み込む、海になれ。 苦労するんが親の仕事。だからそんなこと子どもは気にせんでええ。幸せになりんさい。金持ちにならんでもええ、偉い人にならんでもええ。今日一日が幸せだったと思えるような毎日を送りんさい。明日が来るんを楽しみにできるような生き方をしんさい。親が子どもに思うことは、みな同じ。ただそれだけ。 見届けなければならない。この子が成長していく、その一瞬一瞬を、しっかりと目に焼き付けておかなければならない。この子がどんな風に大きくなって、どんなおとなになったのか。見届けたくても見届けられなかった、あなたにいつか、たくさんたくさん話すために。 親とは。 親とは、割に合わないものだ。 親とは、寂しいものだ。 親とは、哀しいものだ。 親とは、愚かなものだ。 親とは、一生懸命なものだ。 お父ちゃんの背中は温かかった。お父ちゃんが抱いてくれたら、体の前のほうは温くなる。でも背中は寒い。もしお母ちゃんがおったら、背中のほうから抱いてくれる。そしたら背中も寒くない。お父ちゃんもお母ちゃんもいる子は、そうして体も心も温めてもらっている。でも、お前にはお母ちゃんはおらん。背中はずっと寒いまま。お父ちゃんがどんなに一生懸命抱いてくれても、背中までは抱ききれない。その寒さを負うことが、お前にとって生きるということだ。背中が寒いままで生きるんは辛いことよ。寂しいことよ、哀しくて、悔しいことよ。お前にはお母ちゃんがおらん。でも、背中が寒くてかなわんときは、ほかの皆の手でぬくめてやる。ずうっとずうっとそうしてやる。背中が寒くないお前はさみしくない。お前はお母ちゃんがおらん代わりに背中を温めてくれるものがぎょうさんおる。それを忘れるなや。 そう言ってくれた優しい大人たちがいた。 【僕に、恨みを抱かせなかった父を誇りに思う】 親とは。親とは。。。。 親になって、よかった。 【ありがとう】 そのたった五文字に涙がとまらなくなる。我が子の幸せだけをひたむきに願い続けた不器用な父親の姿に、あまりにも深い愛情に。 親とは、、、、答えは親の数だけあるでしょう。その家族の数だけ、その子どもの数だけ、あなたは答えを見つけましたか?

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なか

(無題)

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4.3 2020年05月13日

死ぬほど泣いた

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トンカツ

なみだ

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4.8 2020年04月21日

泣けて泣けて仕方がない。 本をよんでこんなに泣いたのは初めてでした。 ヤスさんとアキラの親子の物語。 不器用ながらも一生懸命子どもを育てるヤスさんがたまらなくかっこいい。 子どもは親の背中を見て育つものやね。 自分の中のスジをきちんと通す姿 すぐに照れくさくなって、思ってることと反対のことを言う姿 息子の幸せを本当に願っている姿 「健介のことも、生まれてくる赤ん坊のことも、幸せにしてやるやら思わんでええど。親はそげん偉うない。ちいと早う生まれて、ちいとばかり背負うものが多い、それだけの違いじゃ。子育てで間違えたことはなんぼでもある。悔やんどることを言いだしたらきりがない。ほいでも、アキラはようまっすぐ育ってくれた。おまえが、自分の力で、まっすぐ育ったんじゃ」 いい言葉です。

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あおたん

うるっとじんわり

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3.5 2020年03月19日

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Readeeユーザー

(無題)

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4.7 2018年09月15日

何年か前に読んで、良かった記憶はあるのだけどすっかり中身を忘れてて、偶然見つけて読んだ。 そうだそうだ、こんなかんじだった。不器用だけどまっすぐで愛情の強い、父子の物語。 ヤスさんと一緒にアキラを見守っているような。時折読み返して、家族の絆を考えたい。

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