海の底

角川文庫

有川 浩

2009年4月30日

KADOKAWA

775円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

4月。桜祭りで開放された米軍横須賀基地。停泊中の海上自衛隊潜水艦『きりしお』の隊員が見た時、喧噪は悲鳴に変わっていた。巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、次々に人を「食べている!」自衛官は救出した子供たちと潜水艦へ立てこもるが、彼らはなぜか「歪んでいた」。一方、警察と自衛隊、米軍の駆け引きの中、機動隊は凄絶な戦いを強いられていくージャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント。

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有川浩「海の底」

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0
2019年12月05日

みんなのレビュー (1)

とも

(無題)

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3.8 2018年03月05日

エンターテイメント小説として、とってもおもしろかった。何しろ物語の想定が、突拍子もない。突如発生した謎の巨大甲殻類の大群。折りしも4月の桜祭りで開放されていた米軍横須賀基地に現れたその大群は次から次へと人を襲っては食べていく。偶然停泊中の潜水艦「きりしお」の乗組員・夏木と冬原は艦長とともに子供たちを救出するが、艦長はエビたちの犠牲になってしまう。なんとか子供たちを助け出したものの、周りはレガリスだらけの状態。早急な救助の見込めない中、自衛官2人と子供たちが潜水艦の中で奇妙な同居生活が始まる。15人の子供たちの、歪んだ内面世界の葛藤や対立。マスコミの動き。ちょっぴり甘酸っぱい恋心。悩める青少年たちの背景にあるものや、心の動きも。 有川浩と言う人は、こういう、日常的に起こる、人間の「恨み」から生まれる対立というのがうまい。『阪急電車』もそう。亡くなった艦長の「腕」に対する子供たちの反応に対する、大人たちの怒り言葉。自国の基地を守るため横須賀の空爆も辞さない米軍。武器を持たない機動隊が次々と犠牲になってゆくのに武器を持つ自衛隊の出動は遅々として進まない。神奈川県警警備課・明石と烏丸参事官。立場は違うが「有能なはみ出し者」同士がタッグを組み自衛隊の出動を画策するために、奔走する。「切れ者にして異端児」という奇妙な共通点のある、県警の明石と、キャリア組の烏丸。反駁するでなく、慣れ合うでなく、お互いがお互いのやりようをニヤリとしながら、受け入れている様が、面白い。二人の共通した見解が、およそ警察関係者としてはそのプライドを捨てたものであり、上層部にGOサインを出させるまでの、巧妙で静かな「頭脳戦」に、小気味よさと、職業人らしさを感じる。そして、現場の機動隊員たちによって繰り広げられる「死闘」。真面目くさってホラをふく有川浩すきです。

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