
トヨタの失敗学 「ミス」を「成果」に変える仕事術
(株)OJTソリューションズ
2016年8月3日
KADOKAWA
1,540円(税込)
科学・技術
「失敗=悪」。これが世間の常識です。だから誰もが「失敗などしたくない」と思いながら仕事をしています。 「失敗したら上司に叱られる…」 「 問題を起こせばまわりに迷惑をかけてしまう…」 「 失敗したら責任をとらされる…」 このような事態が想定できるからこそ、 「失敗しないように無難に進めよう」 「失敗したら、バレないように隠してしまおう」 「いざとなったら力技でごまかそう」 という発想になってしまいます。しかし、「失敗は避けなければならないもの」という意識でいるかぎり、失敗から目をそらす姿勢が強くなります。そして同じような失敗を繰り返すことになり、事態は悪化していきます。また、新しいことや困難なことへのチャレンジにしり込みするので、職場のチームも自分自身の成長も減速します。 トヨタの現場の第一線で活躍してきたトレーナーたちが、口をそろえて証言していることがあります。 「トヨタの現場では、たくさんの問題やトラブルが起きる。でも、『失敗』という言葉はほとんど聞かなかった」 もちろん起きた現象だけをとらえれば、トヨタにもミスやトラブルなど大小さまざまな失敗がありますが、少なくとも現場レベルでは「失敗」という概念は存在しません。失敗したことをそのまま放置したら、それは文字通りの「失敗」に終わってしまいます。しかし、失敗に正面から向き合い、次に活かすことができれば、その失敗は改善プロセスのひとつとなります。「失敗」が「失敗」で終わらないのです。 現場のメンバーが知恵を絞って、「なぜ不良が起きたのか」を徹底的に考えます。そして、問題を引き起こしていた原因を突き止めて、二度と不良が出ないような対策を実施し、そのしくみは、他のラインや工場にも展開することで、組織として強くなっていくのです。 つまり、トヨタの現場では、問題やトラブルをよりよいモノづくりをするための「改善の機会」ととらえているのです。 トヨタの現場で働く人たちにとって「失敗」とは、改善へとつなげるチャンスであり、成果に結びつける「宝の山」です。 (はじめにより) 第1章 トヨタの改善は「失敗」から始まる 第2章 失敗を「視み える化」する 第3章 失敗を「成功」に変えるワザ 第4章 失敗を活かすコミュニケーション 第5章 失敗こそが創造を生む
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