習近平と中国の終焉

角川SSC新書

富坂聰

2013年1月31日

角川マガジンズ

858円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

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2.8 2018年01月28日

私たちは、なぜバラク・オバマがアメリカ合衆国大統領になれたのか、また安倍晋三が総理大臣になった経緯も承知している。お隣の大国中国にあって2012年11月、予定より1ヶ月遅れて『十八大』が開かれた。なぜ1カ月も遅れたのか、なぜこの期間厳戒を要したのか、そして習近平がなぜ総書記に選ばれたのかを知らない。なぜなら世界第二位の経済大国中国は共産党一党独裁の国であり、我が国のような民主国家では当たり前のアカウンタビリティを有しないからである。冒頭にこんな分かり切った事を述べるのは、誰もが現在の中国の実像をつかみかねているからである。 果たして中国は本当に我々と同じ価値観を共有し、共存していける国なのか。今後、中国がアジア地域を圧倒する軍事力を身につけたとき、彼らは国際ルールや法律に則って問題解決にあたろうとするのか、それとも躊躇なく武力に訴えてくるのか判然としないのだ。 本書は、現在日本において最も的確かつ正確に中国を分析できる富坂聰の最新作である。その内容は実に精緻で見事な分析である。本書では今、中国国内が抱える「格差社会」「汚職」「権力・富の偏重」を取り上げている。なぜかなら、これらが中国人民の一番の不満であり、人民のエネルギーが政府に向かった時、共産党も国家もが滅びると恐れているからだ。その一番良い例が薄熙来であった。薄熙来は重慶市の総書記として汚職とマフィア追及に劇場型解決策を実施し、中国国民の絶大なる信任を受けたのである。しかし、これは一つ間違うと文化大革命の再来になる可能性もあり、今の共産党としては是が非でもとめなければならない流れだった。 人民による民主化の波に抗う市場社会主義を標榜する中国共産党が今の中国の偽らざる姿だとすれば、これからの習近平の苦難は想像にあまりある。中国人民は新たな易姓革命を待っている。そして新たなヒーローに民主化を実現して欲しいと望んでいるのだ。薄熙来や汪洋をリーダーとして選ばなかった中国は本書の予言通り『終焉』するのだろうか。

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