修羅

カドカワノベルズ

須藤明生

1993年10月31日

角川書店

811円(税込)

小説・エッセイ / 新書

浅草ー。伝統を守る侠客一家桜田組は、新興暴力団侠東会と激しい抗争を展開していた。闘争のさなか、一家に雇われた助人の佐伯英次は見事に侠東会の殺し屋を葬る。桜田組の当代桜田仙三は、今は堅気となっている館山の叔父貴こと国分清吉の許に英次を落とした。一方、仙三の娘美津は義母との確執から家を出て、実母の眠る館山に清吉を訪ね、そこで出会った英次と道ならぬ愛で結ばれる。だが、英次は掟破りの免罪代わりに単身敵地に乗り込んで壮烈な死を遂げた。残された美津は、理不尽なヤクザ社会の掟を恨み、敵の殺し屋に復讐を誓う。侠客の意地と侠気をつらぬいた男と女の姿を鮮烈に描く書下し長編。

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