
ビブリア古書堂の事件手帖2 〜栞子さんと謎めく日常〜
メディアワークス文庫
三上 延
2011年10月25日
KADOKAWA
715円(税込)
ライトノベル
鎌倉の片隅にひっそりと佇むビブリア古書堂。その美しい女店主が帰ってきた。だが、入院以前とは勝手が違うよう。店内で古書と悪戦苦闘する無骨な青年の存在に、戸惑いつつもひそかに目を細めるのだった。 変わらないことも一つある──それは持ち主の秘密を抱えて持ち込まれる本。まるで吸い寄せられるかのように舞い込んでくる古書には、人の秘密、そして想いがこもっている。青年とともに彼女はそれをあるときは鋭く、あるときは優しく紐解いていき──。
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(無題)
ビブリア古書堂シリーズの第2作目です。北鎌倉の片隅にある古書店を舞台とした連作ミステリーですね。一応ミステリーとしてはいますが、この本には一冊の古書に込められた人間の想いの重さを感じる物語が詰まっています。そんな魅力的な世界へと招いてくれる作品です。後書きによれば,まだ物語はようやく本篇に入ったばかりということの様ですからこの後も楽しみですね。 このシリーズ、大変な人気だそうです。現在まで4巻が出版されていて、それぞれがミリオンセラーだとか。そこで気になるのが、どんな人が読んでいるのかです。主人公ニートの大輔と巨乳の栞子から連想されるのは、おタクっぽい20代の男性ですが、実は20〜30代の若いママが多いのではないかとアタクシは睨んでおります。「辛い話や重い話題は現実にたくさんあるのだから、せめて小説ぐらい気楽な内容にしてもらいたいものだよね。だけど軽けりゃイイってもんじゃないんだよ。ここには深〜い薀蓄があるんだよ」って言いそうな人たちです。北鎌倉から大船辺りは、古い土地柄であまり変化がない住宅地です。古都鎌倉周辺、湘南と言ったらもうそれだけでイメージが浮かびますよね。しかも書籍をモチーフにした文化的エッセンス。どうしてこんな事を言い始めたかと言いますと、出版界は新たな読者層を掴んだのかな〜と思ったからです。どうもそうではないような気が強くなってきました。 横道にそれましたが、本書に戻りましょう。大輔と栞子の個性は作られ過ぎの感がありますが、この二人の人間関係の距離感は今風ですね。今風と言えば、第二話で大輔が高校時代に付き合っていた高坂晶穂が登場しますが、彼女との別れ方や再会した時の接し方は、現代の若者の微妙さを感じます。 収録されている作品はプロローグとエピローグを除いて3篇。アントニイ・バージェス『時計仕掛けのオレンジ』を題材とする第一話は読書感想文を巡るお話で、前作に登場した小菅奈緒の妹の読書感想文が事件の中心となります。福田定一『名言随筆 サラリーマン』が題材となる第二話には、私はこの事実を知りませんでしたので正直驚きました。また、晶穂に寄せる父と異母姉の不器用な想いが切ないですね。足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』が取り上げられる第三話は古書漫画の価値について語られます。
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