ビブリア古書堂の事件手帖7 〜栞子さんと果てない舞台〜
メディアワークス文庫
三上 延
2017年2月25日
KADOKAWA
737円(税込)
ライトノベル
ビブリア古書堂に迫る影。太宰治自家用の『晩年』をめぐり、取り引きに訪れた老獪な道具商の男。彼はある一冊の古書を残していくー。奇妙な縁に導かれ、対峙することになった劇作家ウィリアム・シェイクスピアの古書と謎多き仕掛け。青年店員と美しき女店主は、彼女の祖父によって張り巡らされていた巧妙な罠へと嵌っていくのだった…。人から人へと受け継がれる古書と、脈々と続く家族の縁。その物語に幕引きのときがおとずれる。
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永遠に不仲の母娘
本を読むか歯磨きをするかどっちかにして】 と、妹に怒られるほど本好きな栞子さん。歯磨きするときも読む本の虫。相当重度です。 今回は、ファーストフォリオと呼ばれる、シェイクスピアの稀覯本をめぐるお話です。 太宰治自家用の「晩年」をめぐりピンチにあった栞子さんのもとに、それを収束させるための取引をしようと、道具商を名乗るが訪れました。こっちの事情を知り尽くした道具商は、法外な値段の取引を持ち掛け、栞子さんはその取引を飲む以外に手がないため応じることになります。その取引成立のついでに彼が残していった一冊から、今度はウィリアムシェイクスピアのファーストフォリオをめぐるトラブルに巻き込まれていきます。 太宰の晩年の件が片付いたと思ったら、今度はシェイクスピア。 太宰の晩年は相場は百万前後と言われていますが、それとは比較にならないほど世界で高額な取引が行われている本。ファーストフォリオは世界に七百冊くらいしか現存しておらず、オークションに出せば何億もの値段がつく貴重なものです。 本を巡り、自身の母親と祖父との対決。 本当に古書を扱う資質があるのか?その才能はあるのか? それを見極めるテストとして、今回のファーストフォリオは、実の祖父が用意していたもの。 黒、赤、白、青、と四冊の中から、本物のシェイクスピアのファーストフォリオを見極める。 そのための資金繰りや、オークションに参加するリスクとリターン、覚悟。 見極められず、多くを失うのか。 真贋で勝ち取り、試練に打ち勝つのか。 母と娘の、心理的対決。 親子だけれども、分かち合えない仲。 歩み寄れない。 たぶん、一生。 切りたくても切れない縁、血は争えず、同じ道を行く二人。 またどこかで、二人の道が交差するときが来るでしょう。 【わたしはわたしでなかった】 そう言って家を飛びだしたのは、栞子の母親だった。 次に会う時、あなたもきっとそう言う日が来る。 そして栞子も私と同じ道をたどるはずだと。 世界は舞台で人間はそれを演じる役者だ。 シェイクスピアの戯曲にしばしば登場する考え方で、 テアトラム・ムンディ、世界劇場と呼ばれています。 世間は世間、大したもんじゃない. グラシアーノ、つまり舞台だ、誰もが一躍演じなきゃならない。 自分で歩いているように見えて、実はものすごく大きな力で、 皆が、世界という舞台で踊らされているだけなのかもしれません。 栞子さんと大輔君の仲の進展も気になるところです。 最終巻となるこのお話で、大輔君は栞子さんへの想いを成就することができるのでしょうか?
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Readeeユーザー
(無題)
シリーズ完結。今回のお題はシェイクスピア。本物のファースト・フォリオを当てるという試練を通して二人の絆が深まる。これまでの登場人物も勢ぞろい。栞子さんの家族の謎も解けてハッピーエンド。妹、文香のコミュニケーション力の高さはさすが。母、智恵子は果たして家族を愛していたのか。大輔は普通の人だけど、これからも皆とうまくやって行けるのかな。これでおしまい、残念。けど、スピンオフ作品、実写映画化とまだまだビブリア・ワールドは続きます。いいね。
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