
日本を滅ぼす教育論議
講談社現代新書
岡本 薫
2006年1月19日
講談社
836円(税込)
人文・思想・社会 / 新書
文部科学省課長が「失敗の本質」を分析 <日本の教育論の「論議の在り方」の欠陥を鋭く指摘し、豊かで生産的な教育論を期待する画期的な書物である。> 文化庁長官 河合隼雄 おそらくは、日本人の多くに共通する何らかの思考プロセスや、陥りがちな論理の陥穽のようなものーーが、日本における教育論議に「すれ違い」や「カラ回り」をもたらし、建設的な教育論議を妨げているのではないか、ということを、ずっと思い続けてきた。以下、これまで漠然と感じてきたそのような「違和感」や「おかしなこと」の背景や構造を、分析・整理しつつ述べていきたい。--<本書より> 「現状」が直視されていないのではないか? ここで言う「ゆとり」とは、「1時間当たりに教える量」についてのものであり、要するに「学ぶべき内容」と「授業時数」の比率のことである。したがって、この意味での「ゆとり」を拡大するためには、「学ぶべき内容の削減」または「授業時数の増加」の、2つの方法がある。そこで教育行政当局は、その選択の良し悪しはさておき、「前者」の方を選び、いわゆる「教育内容の3割削減」を行った。しかし実は、これと並行して「授業時数」の方も、「完全土曜休業」や「総合的な学習の時間の導入」などのために、「約2割」が削減されたのである。したがって、両者の比率である「ゆとり」は、学年や教科によるバラつきはあるが、全体として「約1割」程度しか生じていないということになる。(中略)過去の日本の教育が「詰め込み」であり、そのために「落ちこぼし」が生じていたのだとしたら、その状況は、全体として約1割程度しか改善されておらず、その後に生じた学力低下の原因のひとつは、「ゆとりを追求したこと」ではなく、むしろ「ゆとりが実現されなかったこと」だったと思われる。--<本書より> 序章 「マネジメント」の失敗 第1章 「現状」の認識に関する論議の失敗 第2章 「原因」の究明に関する論議の失敗 第3章 「目標」の設定に関する論議の失敗 第4章 「手段」の開発に関する論議の失敗 第5章 「集団意思形成」に関する論議の失敗
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