写楽殺人事件
講談社文庫
高橋 克彦
1986年7月31日
講談社
649円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
謎の絵師といわれた東洲斎写楽は、一体何者だったか。後世の美術史家はこの謎に没頭する。大学助手の津田も、ふとしたことからヒントを得て写楽の実体に肉迫する。そして或る結論にたどりつくのだが、現実の世界では彼の周辺に連続殺人が起きていてー。浮世絵への見識を豊富に盛りこんだ、第29回江戸川乱歩賞受賞の本格推理作。
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(無題)
浮世絵をモチーフにした推理小説は、高橋克彦が文壇に登場するまで存在しなかった。したがって、新たな分野を切り開いた推理小説として、江戸川乱歩賞の受賞も納得できるところだ。しかしながら、一読者として素直な感想を述べるなら、私にとっては浮世絵に関する記述は重すぎる。それがミステリーの伏線になっているのだから、読み飛ばすわけにもいかず、辛いところだ。
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