青狼記
楡周平
2000年7月25日
講談社
1,980円(税込)
小説・エッセイ
大陸では微妙な力関係で五国のバランスが保たれていた。楽天は一番の小国である。その楽天に大国・奉金より盟約を結びたいとの申し入れがあった。条件は人質の交換。しかし、その裏には各々の国家の、そして重鎮たちの思惑が渦巻いていたのだ。世俗にまみれ、人生に翻弄され、それでもなお愛と勇気を武器に真摯に生きる若者を大スケールで描く感動巨編。
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(無題)
その大陸では微妙な力関係で五つの国の均衡が保たれているーーー。古代中国の戦乱時代を彷彿とさせる、スケールの大きい物語をたった一冊でまとめきれるのか、という不安があったが、十分に面白くまとまっていた。 ただ、せっかく設定が面白いのだからもっと長くして、掘り下げて欲しかった気もする。 楡周平の作品は初めてだが、ハードボイルド作家というイメージとはいささか趣が異なり、主人公に毒気が足りなかったのが残念だった。また、奉金の宝と呼ばれたはずの春申があまり役に立っていなかったような・・・。 それでもとても面白い時間を過ごせたので、この人の別の作品も読んでみたい。
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