静かなる凱旋

阿部牧郎

2006年1月31日

講談社

2,200円(税込)

小説・エッセイ

秋田県鹿角の旧家の当主・青山吉之助は、日露戦争の講和が叫ばれる今、鹿角遺族会会長として遺族を引き連れ上京し、幕末、戊辰戦争のただ中に知遇を得た桂太郎と交渉して、講和阻止を申し入れるつもりだ。かつて鹿角が盛岡藩領だった頃、金で武士の株を買った金上侍と蔑まれ、戊辰戦争では奥州の争乱に巻き込まれ、日露戦争では大切な長男を失った。この38年を振り返ると、吉之助の半生は、戦いの日々であった。幕末から明治ー時代が動き、社会が変わる時期を、壮大なスケールで描いた渾身の書下ろし長編小説。

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