ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

辻村深月

2009年9月30日

講談社

1,760円(税込)

小説・エッセイ

“30歳”という岐路の年齢に立つ、かつて幼馴染だった二人の女性。都会でフリーライターとして活躍しながら幸せな結婚生活をも手に入れたみずほと、地元企業で契約社員として勤め、両親と暮らす未婚のOLチエミ。少しずつ隔たってきた互いの人生が、重なることはもうないと思っていた。あの“殺人事件”が起こるまでは…。辻村深月が29歳の“いま”だからこそ描く、感動の長編書き下ろし作品。

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書店員レビュー(1)
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ひさだかおり

書店員@精文館書店中島新町店

(無題)

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3.0
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2020年01月16日

みんなのレビュー (1)

Readeeユーザー

(無題)

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2.8 2018年01月28日

30過ぎの女性のこだわりや、人間関係の間の取り方が生き生きと活写されているところが、同世代の読者の支持を得ているのだと思われます。 アラサーの女性の人間関係は、ギリギリのところで傷付け合わないもののようです。本書はその優しさと、冷酷さ、残酷さを日常生活の中で描いてみせます。また、絶えず値踏みしたり優劣を気にしたり、高度な心理的駆け引きを当たり前のように行っています。 都会に出てフリーランスのライターになったみずほが田舎に帰って、田舎で暮らし続けている女性との会話のシーンが延々と続きます。学生時代のそれぞれのポジション、関係等を微妙に引きずりながら、都会と地方生活、キャリアと主婦という立場の違いからの微妙な感情を活字で埋め尽くしています。 以上がアカランの私が、頭で考えた本書の内容ですが、残念ながら作者が紡ぎ出す世界を肌感覚で実感する事は出来ません。むしろ、うるさいぐらいに次々と吐き出される言葉の羅列に退屈を感じます。これが前半三分の一まで読み進めたところでの私の感想です。本書は友人との人間関係の他、殺人事件やその事件の当事者の母娘関係がテーマになっているようですから、これからどのような展開になるか楽しみにして見る事にしましょう。 第二章は捨てられた恋人の子供を宿し、産む事に反対した子離れしない母親を殺害したチエミの視点で描かれます。第二章になって俄然分かり易くなりました。チエミはどちらかと言えばちょいとゆるいんです。だから私にも分かり易くなったのかもしれません。終わりの数十ページになって第二章となり、これまでが第一章だった事に改めて気がつきました。第一章は、神宮寺みずほの視点で描かれて来ました。みずほは、幼児虐待 のトラウマを持つ母娘関係にあります。そして作者はこんな風に書きます「いちど、子供を身ごもり、母親になるのかもしれないという感覚を知ってしまった今ではなおさらだった。自分のための子供を産み、育てることだってできてしまう」こんな風に書かれたら、男は全くもってコーサンです。生に対する女性のしたたかさなのかもしれません。 ともあれ、本書は男には共有する事ができない生と性をモチーフに女性の友情を描いた秀作といえましょう。

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